● 基本データ 湖西線(こせいせん)は、東海道本線の山科駅から琵琶湖西岸を走り、北陸本線の近江塩津に至るJR西日本の幹線路線である。路線の起点は山科駅だが、全ての列車が京都以西に進む。 大阪と北陸方面を結ぶ短絡線として、大正11(1922)年4月11日に公布された改正鉄道敷設法に、「京都府山科ヨリ滋賀県高城ヲ経テ福井県三宅ニ至ル鉄道」と「滋賀県今津ヨリ沓掛附近ニ至ル鉄道」と規定された。これを受けて、大正11(1922)年4月11日、浜大津-三宅(現;小浜線上中)間が、国鉄予定線に編入された。 しかし、この区間に路線を建設したのは、江若鉄道(こうじゃくてつどう)で、改正鉄道敷設法公布前の大正10(1921)年3月15日に三井寺-叡山間を開業させたのに始まる。江若鉄道とは、その名の通り近江国(滋賀旧国名)と若狭国(福井西部の旧国名)とを結ぶ目的で設立された鉄道会社で、当時の滋賀県知事や比叡山延暦寺などが主な出資者だった。南へは、大正14(1925)年4月3日、新浜大津(後の浜大津)まで、北へは昭和6(1931)年1月1日近江今津間までを開業させている。江若鉄道は、改正鉄道敷設法にあわせて福井県の三宅まで路線を延ばす予定であったが、近江今津から先は人口が少ないことから採算が見込めず路線建設は凍結された。 戦後しばらく経って、国鉄が同区間に湖西線として新たに路線を建設することになった(昭和42(1967)年1月12日起工)。この際江若鉄道の路線が転用されることになり、昭和44年(1969)11月1日に江若鉄道の路線は廃止。山科-近江塩津間が昭和49(1974)年7月20日に開業した。ちなみに、近江今津から上中へは第三セクターの琵琶湖若狭湾快速鉄道が若狭リゾートラインとして計画中であるが着工の目処は立っていない。 関西と北陸の短絡という(高速走行での)目的で最近建設された路線ということで、ほぼ全線がトンネルと高架となっている(踏切も全くない)。また、近畿圏から東北・北海道を結ぶ日本海縦貫線(湖西線-北陸本線-信越本線-羽越本線-奥羽本線)の関西側の入口路線の役割を担っている。 この為、大阪発着の北陸・東北へ向かう特急列車や北陸・北海道方面と関西・九州方面を結ぶ貨物列車が全線を通り抜ける。そして、沿線各地(や敦賀方面)から京都・大阪方面への通勤・通学路線ともなっている。 ※ 特急・普通ともに多い。ただ、近江今津-近江塩津間 の普通列車の本数がやや少なくなっている。 | ||
山科を出発した列車は、勾配を昇り東海道本線をオーバーパスする。左にカーブし、長い(長等山)トンネルに入っていく。トンネルを抜けると、進行(近江塩津)方向右手に大津市街が広がる。やや俯瞰する感じになるので眺めがよい。一旦家屋が少なくなるが、再びマンションなどの建物が増えてくると、坂本市街になる。坂本市街に前後して、西大津バイパスと並走する。 ここからトンネルが多くなり、蓬莱付近から琵琶湖が広がるようになってくる。琵琶湖と並走するようになるが、水田の先に琵琶湖が見えるようなロケーションで、時々湖面が近づくという感じだ。近江高島を出ると琵琶湖から離れるが、近江今津と近江中庄到着前に琵琶湖が広がる。全国でも珍しいカタカナ駅「マキノ」を出ると、路線がまっすぐになり、と同時に長いトンネルがいくつか続く区間となる。そして、近江塩津が近づくと、水田の先に琵琶湖北端が見え、北陸本線と合流し、終点近江塩津に到着する。 車窓は、琵琶湖が広がるので進行(近江塩津)方向右がよい。 |
● 乗りつぶし記録
・1988.03. 友人達と金沢・岡山旅行の途中、近江塩津→山科間に乗車。完乗達成。
・2008.07.20. 近畿完乗作戦で、近江塩津→マキノ→永原→山科間に乗車。
・2010.07.25. 近畿乗りつくしで、山科→小野/和邇→近江塩津/近江塩津→山科間に乗車。往復完乗達成。
・2010.07.26. 同、山科→小野→山科間に乗車。
・2011.01.10. 近鉄乗りつくしで、山科→小野→山科間に乗車。
・2011.08.01. 南紀遠征で、山科→近江塩津/近江塩津→山科間に乗車。
・2011.12.18. 聖地巡礼の旅で、山科→近江中庄→唐崎→大津京間に乗車。
● 駅舎写真
山科駅(2008.07.) 大津京駅(2011.01.) 唐崎駅(2011.12.) おごと温泉駅(2008.07.) 小野駅(2010.07.) 和邇駅(2010.07.) 志賀駅(2010.07.) 近江舞子駅(1988.03.) 新旭駅(2010.07.) 近江今津駅(1988.03.) 近江中庄駅(2011.12.) マキノ駅(2008.07.) 永原駅(2008.07.) 近江塩津駅(2008.07.)
● おすすめ撮影ポイント
撮影ポイントは、JR線路線別撮影地湖西線にて紹介している。(このページに戻る際は、ツールバーの"戻る"を使って下さい)。
この他、琵琶湖の景勝地・松の浦を見ながら走る列車が撮影できる比良-志賀間、棚田の中を走る列車が撮影できる北小松-近江高島間など。