加古川線

最終更新日2012.02.10.


● 基本データ

 加古川線は、山陽本線の加古川駅から福知山線の谷川駅に至る地方交通線(ローカル線)である。
 播州織や酒造米の産地として有名な播州地方、ここから産物を運搬するのは、長らく加古川の高瀬舟による水運に頼っていた。しかし、加古川の増水等で十分に運ぶことができず鉄道敷設が求められ、明治44(1911)年に播州鉄道株式会社が創設された。大正2(1913)年4月1日、加古川町-国包(現;厄神)間が開業。同年8月10日、加古川の西岸の西脇まで路線が伸びた。その後、大正10(1921)年5月9日市原まで、大正12(1923)年5月6日鍛冶屋まで延伸開業した。大正4(1915)年には、山陽本線の加古川駅へ乗り入れている(加古川町廃止)。
 一方、西脇の加古川寄りに、大正2(1913)年10月22日、野村(現;西脇市)が開業。ここから加古川を渡り、加古川の東岸に路線が建設され、大正13(1924)年12月27日谷川まで(現在の加古川線路線が)開業した。
 水運の代還であり、加古川に沿って路線が建設された為、各都市から離れているという問題があり、播州鉄道により厄神-三木間(大正6(1917)年1月23日開業)、粟生-北条町間(大正4(1915)年3月3日開業)、加古川町-高砂間(大正3(1914)年9月25日開業)の各支線が建設された。
 谷川開業の1年前、第一次世界大戦後の不況により播州鉄道株式会社の経営権は播丹鉄道株式会社に譲渡され(大正12(1923)年12月21日)、さらに戦時買収によって、昭和18(1943)年6月1日播丹鉄道は国有化された。これに伴い、加古川-野村(現;西脇市)-谷川間が加古川線となり、野村-鍛冶屋間が鍛冶屋線、厄神-三木間が三木線、粟生-北条町間が三木線、加古川-高砂間が高砂線となった。
 戦後、利用客が伸び悩み、三木線と北条線が昭和60(1985)年4月1日第三セクターの三木鉄道と北条鉄道に移管され、昭和53(1984)年12月1日には高砂線、平成2(1990)年4月1日には鍛冶屋線が廃止されてしまった。
 平成7(1995)年1月17日に発生した阪神・淡路大震災では山陽本線をはじめ阪神間の交通が分断され、この際、播但線・福知山線と共に迂回路の役割を果たした。このことから、「代替ルートの確保」ということで路線の機能が強化されることになり、平成16(2004)年12月19日には全線が電化されている。
加古川-谷川間 48.5km

※ 西脇市駅で乗り換えとなる。本数が少なくなる、この西脇市-谷川間が攻略のポイント。



[車窓の楽しみ方]
 加古川から列車は大きく左へカーブし、北東に向かう。加古川から出発する列車は、電車である。加古川-西脇市間は通勤・通学に多く利用されるので、車内は、ロングシートとなっている。また、街並みを模した車輌などもあった。
 10分程で厄神。ここから三木鉄道が分岐しているが、粟生から神戸電鉄が三木市を通って神戸にむかので、乗客がそちらに流れてしまっているようだ。加古川線の約1/3の列車がここ西脇で折り返す。ベットタウンにふさわしく駅舎も近代的。
 厄神を出発すると加古川を渡り、以降加古川の西岸をはしるようになる。途中、神戸電鉄と北条鉄道が発着する粟生駅を通過。厄神からしばらく田園地帯をのんびり走り、快適なモーター音を鳴らして列車は進んで行くのだが、こんな車窓は気動車の方があっているような気がした。
 山が多くなってくると西脇市に着く。西脇の中心街は北に約1km程離れているので、駅前は小さな商店が並ぶ程度。ここ西脇市から先に行く為には、列車の乗換えが必要になる。利用客がやや少なくなるのか、車内は、ボックスシートになるが、片側が1列である。
 西脇市から大きく右にカーブし、加古川を渡り、加古川が作り出した谷の中を走る。ただ、あまり山深くなく、雑木林の中を走っているよう。途中、日本のへそ公園という面白い名前の駅がある。東経135度と北緯35度が交差するから「日本のへそ」と言うのらしいが、駅から近代的な公園が広がる。
 黒田庄あたりで、再び田園風景が広がり、徐々に加古川が離れていく。
 杉を中心とした林の中を走るようになり、進行(谷川)方向左手の木立の合間から篠山川の川面が見える。また、円応教の本殿が見えると、終点、谷川に到着する。
 車窓は、西脇市まで左右それほど変わらないが、西脇市から先は進行(谷川)方向左がよい。



● 乗りつぶし記録

  ・2006.03.13. 出雲撮影旅行で、谷川→加古川間に乗車。完乗達成。
  ・2011.03.25. 関西撮影旅行で、粟生→加古川間に乗車。



● 駅舎写真

加古川駅(2011.03.) 厄神駅(2011.03.) 粟生駅(2011.03.) 旧駅舎
西脇市駅(2006.03.) 谷川駅(2006.03.)



(ともりんが)行ってみたい撮影ポイント

 のどかな田園地帯の中にある長い直線を行く列車が撮影できる、黒田庄-本黒田間など。



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