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エイザの奇妙な冒険


2005-08-02 「ここのウサギは肉食だ」

_ 昼食時。

隣に座ったO女史が急に聞いてきた。

「エイザちゃんも明日の卓球大会、でる?」

食べかけの定食(鶏肉の豆板醤焼き)を頬張りながら答える。

「声かけてもらったんで、そのつもりですが」

「エイザちゃん、卓球うまい?」

「いえ、ラケットとボールを使うスポーツは全滅です。」

O女史、ニヤリと笑って、続ける。

「得意なスポーツってあるの?」

ちなみにO女史は雨が降ろうが台風が来ようが、ラジオ体操を鉄アレイを持ってやる人である。

ついでに言えば、第1と第2の間に、腕立てを10回やる人である。

「えーと、短距離走は早いですよ。あと幅跳びとかハードルもそこそこ」

「へー、陸上系なんだ」

O女史は黙っていれば「美人」の元おねーさんである。

黙ってさえいれば。

しかし、O女史の舌には毒がある。

ついでに言葉には牙がある。

まるでネズミをいたぶる猫のような笑みを浮かべて続ける。

「でも、ハードルが上手そうには見えないんだけど」

まるで自分がO女史の前の丼の中身(今週はビビンバ丼)になったような気がする。

が、動揺は見せてはいけない。

「へー、そうですか?」

ちょっと挑発的なニュアンスで返す。

どう返してくるか。

最近太ってきたとか、年取ってきたとか、運動神経鈍そうとか。

反撃の準備を頭の中で準備する。よし、準備はできている。

しかし、一撃はもっと重かった…。

_ 「だって、人生のハードルにいつも引っかかってるじゃん」

_ 反撃の気力を失った私はいつものように白旗を揚げることにした。

「あの、そんな肉食獣みたいな笑顔でからかわないでくださいよ…」

O女史は両手を頭の上にあげた。まるで耳のように。

「肉食獣なんて、ひどいなぁ。私は『カワイイうさぎさん』だよ」

_ …Oさん。それは四捨五入したら40になる人の言葉じゃないですよ…

という、ツッコミはついに私の口からは出なかった…

_ 追記:なんとか当日中に間に合った…

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]
_ (2005-08-03 00:23)

人生のハードルにひっかかるのは、(1)跳躍力が足りない(2)ハードルが高すぎる、(3)隣接レーンから妨害が入る、のどれだろう・・・

_ クマ三郎 (2005-08-03 09:28)

ハードルの続く人生と、何もない荒野の真っ只中を進む人生とでは、どちらが幸せなのだろう…。

_ エイザ (2005-08-03 13:00)

一番ハードなのは、誰もいない荒野でハードルをすることでは?

_ ぷろふっさーK (2005-08-03 18:49)

篠原凉子や穴井夕子もパードルだったそうな…


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