「慣れ」というものは恐ろしいもので、最近震度3くらいではびっくりしない。
机の下からヘルメットを取り出す。
机の下に潜り込んで、揺れが収まったら出てくる。
ヘルメットを被り、ストラップを調整する。それだけだ。
我が愚弟1号が仙台に住んでいるので、愚弟1号とその嫁、実家の父母に携帯メールを送り、安否確認を試みる。
1時間後、母親より嫁と甥っ子の無事が確認されたとのメールが届くも、愚弟1号の安否は不明とのこと。
頑丈なことだけがとりえとはいえ、どんくさい愚弟1号。なにかの面倒に巻き込まれていなければいいが…。
と思っていたのもつかの間。
再度母親よりのメール。愚弟1号と連絡が取れたそうだ。
怪我もなく元気でいるらしい。
しかも、今回の地震に気がつかなかったらしい…。
夕方、打ち合わせコーナーの机の上にA4版のポスターが数枚。
O女史作成の明日のボランティア清掃時に使用するらしい。
浴衣を着た女の子がふたり、仲良く花火をしている絵が描かれている。
ポスターを眺めているとO女史がやって来て言った。
「エイザ〜、なかなかいいでしょ」
「そうですね〜」
「その絵、M美さんと私なの〜」
それはそれで風流だし、かわいらしい。
ボランティアにも掃除にも関係ないような気もするが…。
しかし、ここでO女史は急にネコ目(食肉目)のような笑顔を作る。
「でも、本物のM美さんはおとなしく花火なんてしませんから。
こうやってグルグル回して『どう、回っている?』とか聞くタイプですから」
さすが、O女史。我が職場の最高捕食者。同性だろうが後輩だろうが容赦なしである。
_ すると離れた席からM美女史の反論が飛んでくる。
「私、そんなことしない〜。そんなことするのはOさんじゃないですか〜」
「い〜や、M美さんはやる。絶対やりますから」
「し〜ま〜せ〜ん〜」
M美女史も気が弱いわけではないのだが、O女史には勝てないのか!
まぁ、想定の範囲内だが…。
_ M美女史が少し困った目で私を見る。
了解。なんとかしますよ。脳内の戦術プログラムを立ち上げる。
まず、牽制。注意をそらした上で一撃。すぐに回頭して撤退。安全圏に避難。一番得意なパターンだ…トホホ。
なるべく抑えた口調で、O女史に同調してみせる。
「そうですよね。O女史はそんなことしませんよね」
O女史、胸をそらせてガッツポーズ。ラジオ体操第2のようだ。
小さな声で、勝った!とか言う声が聞こえる。
そのまま、O女史の脇を通り過ぎながら続ける。
「Oさんがするのは、人の足元にネズミ花火を投げ込むくらいですよ、きっと」
どこかで、魔獣の咆哮が聞こえたような気がしたが、たぶん気のせいだろう。
私はそのまま喫煙所に逃げ込み、嵐が通りすぎるのを待つのであった。
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そろそろ次のネタがよみたいぜ=!
私のブログからリンクを貼らせて頂きました。よろしくお願いします。<br>で、次のネタマダ−(・∀・)−?
1ヶ月以上も熟成しているのだから、次のネタはきっとものスゴイに違いない!
ufepcedufke