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エイザの奇妙な冒険


2006-04-21 「二つの相矛盾する命題が、等しい根拠をもって主張される。人、それを『二律背反』という!」 [長年日記]

_ 「二つの相矛盾する命題が、等しい根拠をもって主張される。人、それを『二律背反』という!」

最近、O女史は元気がない。元気がないのでツッコミがない。すると平和な日々が続くことになるが、当然『ネタ』がなくな離、本ブログ「エイザの奇妙な冒険」の更新が滞る。困ったものだ。

今日もお昼休みのチャイムが鳴り、総務のメンバーもぞろぞろ歩いて食堂に向かう。その途中で、急に姐さんが話しかけてくる。

「エイザちゃん、今日はあぶないよ」

「・・・何の話ですか?」

首をひねって姐さんに聞き返す。姐さんはなぜか楽しそうに続ける。

「今日、Oさん『ご機嫌斜め』だから、そっちに攻撃、行くかも」

・・・攻撃が私のところに来るかもしれないのに、何故この人はこんなに楽しそうなのだろうか?

「怒ってるんですか?」

「うん、怒ってるの。」

そうか、O女史は怒っているのか。機嫌が悪いのか。

「なら、攻撃されても大丈夫ですよ」

静かに姐さんに告げる。正直『ご機嫌斜めな』O女史は怖くない。本当に怖いのは・・・。

「怖いのは、『ゴキゲンな』Oさんです。怒っているO女史のツッコミは怖くありませんよ」

「え?そういうものなの?」

怪訝そうな姐さんに説明を続ける。

「Oさんのツッコミは『ゴキゲンな』ときの方がスルドイので。機嫌が悪いときは切れ味がニブイんです。」

不思議そうな顔の姐さん。まだ納得していないようだ。そのまま説明を続ける。

「機嫌の悪いときのツッコミはポイントがズレているんで、あまり痛くないんです。でも、『ゴキゲンな』Oさんは、弱点をピンポイントかつナチュラルに突いてきますから、思わず『ぐはぁ(吐血)』って感じになるんです。」

「・・・そういうものなんだ・・・」

「そういうものなんです。」

断言する。伊達に何度も何度も何度も、O女史にツッコミ喰らっていないのである。・・・ちょっと悲しい気もするが。

そんなこんなでみんなでお昼ご飯。いつものようにバカ話をしていると、なぜか「寝ぼけたとき」とか「夢」の話になる。

「エイザはどうなの?」

チョー女史がこちらに水を向ける。口に入っていた鶏肉のグリルをみそ汁で飲み下し、答える。

「2週間ぶりくらいで、夢を見ました。」

これは本当である。夢見が悪くて目が覚めたのだ。

「どんな夢、見たの?」

O女史が目を爛々と輝かせてこちらを見る。なにかツッコミどころを探している目である。

「はぁ、熱いてんぷら鍋をひっくり返して、腰から下にてんぷら油をもろに浴びて・・・」

全員が黙り込む。頭の中で光景を再現しているのであろうか。ナベさんは心底いやそうに顔をしかめている。

「なんつー夢を見るんだ、この人は・・・」「熱そう・・・、夢でよかったね」「夢判断どうするのか、悩むわね」

それぞれの論評が終わったところで続ける。

「で、火傷して、風呂場のシャワーで冷やしているうちに、目が覚めました。」

言いながら考える。この話のツッコミどころはどこだ?NGワードはなんだ?

結論はすぐに出る。『睡眠中』、『夢』、『水』、『冷たい』・・・そこから導き出される答えはひとつ。

ところがO女史がツッコミをいれてこない。お茶の入った湯飲みを持ったまま、顔をしかめている。てんぷら油を引っかぶった自分を想像しているのであろうか。

・・・なにか物足りない・・・。しょうがない。自分で言ってしまおう。

「あ、あらかじめ言っておきますが、『お・ね・しょ』はしてませんよ」

「・・・・ああ〜っ」

O女史の顔に理解の色が走る。すぐにものすごく悔しそうな表情になって続ける。

「あ〜、その手があったか!『夢』で『水』と来たら『おねしょ』だぁ!」

本当に悔しそうなので、こちらもそれ相応の対応をすることにする。くちびるを歪め、皮肉な笑みを浮かべて続ける。

「フッ、あまりにもニブイんで、セルフツッコミさせていただきましたよ」

わざとらしく鼻で嗤ってみせると、O女史は悔しそうな笑顔で答える。

「く〜や〜し〜い〜!頭の中、怒ってるのでいっぱいだから、気がつかなかった〜」

「いや、メモリの足りないパソコンじゃないんだから」

「うわーん、くやしいなぁ」

ちょっとかわいそうになったので、口調を変えて労わってみる。

「早めに『再起動』かけた方がいいのでは?フリーズしちゃいますよ」

「そうだよねぇ、そうしたいんだよ〜、でもタヌキがねぇ〜(涙)」

あのイナズマみたいなO女史のツッコミが・・・こんなになっちまって・・・(涙)。※「明日のジョー」風に読むこと

そんなこんなで、O女史は元気がないのである。とっても心配である。

O女史には早く元気になって欲しいのである。が、元気になるということは、毒を塗ったアサシンの短剣のようなツッコミにさらされるということで・・・。「二律背反」な、しかし「どうでもいい」悩みに引き裂かれているエイザであった。


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