今日は工場でミーティングのダブルヘッダー。
ところが、1つ目のミーティング終了後、結構時間が空いてしまった。
しかたないので、机とLAN回線を借りに古巣の総務部に顔を出すことにした。
で、挨拶しながら事務所に入ると早速、姐さんが手を振ってくる。
「エイザ〜、久しぶり〜。相変わらず 『地雷』 踏んでる?」
早速の先制パンチ。しかしそれだけでは終わらない。
「あ、 『地雷踏み』の人 だ」
姐さんの向かいに座っている花魁さんがツッコんでくる。
ちなみに花魁さんは私の異動後に総務にやって来たお姉さんだが、以前から面識があり、経理系の仕事を教えてもらった先輩でもある。
「・・・そんなにいつも『地雷』踏んでますか、私?」
姐さんがすぐ言い返す。
「いつも踏んでんじゃないですか、『地雷』。」
こともなげに切り返す姐さん。
ここで花魁さんが首をひねりながら尋ねてくる。
「ひょっとしてエイザ、自分で『地雷』埋めてない?で、それに自分で引っかかってるとか?」
・・・断じてそんなことはない。それに自分で引っかかるほどマヌケではないつもりである。
そう、言い返そうとした瞬間、姐さんが遮るように言った。
「それは、違うわよ。エイザの場合、『地雷』を踏むんじゃなくて、 常に足の下に『地雷』があるのよ! 」
しかしそんな私に気づくことなく花魁さんが尋ねる。
「それは 『マインスイーパー』で常に『8』が表示 されるようなもの?」
姐さんは首を少しひねってから答える。
「というより、 白紙の状態ですぐに『地雷』を常に開けちゃう 、みたいな感じかな?」
気を取り直して、パソコンを起動していると向こう側で手を振ってくる人がいる。
ロックさんだ。外見はしずかちゃんの顔をしたドラえもん。しかも坊主頭。
「おー、エイザ。元気そうジャン」
「ありがとうございます。ロック先輩もお変わりなく」
そんな感じで旧交を温めていると、右方向から何かが 通常の3倍の速度で襲来 する。
そう、そんなことをするのはあの人しかいない。
「う、まぶしい!」
ロックさんと私の間に割り込んでくるなり、ロックさんの坊主頭を指差し、目を覆う。
「・・・そんなこと、面と向かってやってくるのは、お前だけだよ」
「でも頭が、まぶしいのは事実ですから、残念!」
この2人、仲が良いのか悪いのか、相変わらずである。
しかし、油断大敵、O女史の矛先はすぐにこちらに向いてくる。
「エイザ、何で午前中に来ないのよ!」
「そんなこと言われても、こちらにもスケジュールというものが・・・」
「午前中ってなんかあったっけ?」
言い返す私、聞き返すロックさん。
そんな2対1の状況もものともせず、O女史が答える。
「午前中には机のところに包丁がいっぱいあったのに!」
・・・試し斬りにでも使うつもりなのだろうか。なら命拾いしたことになる。
「エイザ、刃物、好きでしょ!」
「いや、嫌いじゃないですが・・・」
「なんといっても『エイザに刃物!』。いや『エイザが刃物!!』ですから!」
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