 ※ 距離が短く20〜30分に1本と 乗りつくしは容易。 | ● 基本データ 香椎線(かしいせん)は、金印が発見された志賀島近くの西戸崎駅から福岡県糟屋(かすや)郡にある宇美駅に至るJR九州のローカル線(地方交通線)である。 宇美町や志免町には粕屋炭田が広がる。そのうち、糟屋郡須恵町にあった海軍の炭坑から石炭を、西戸崎の港まで運ぶことを目的として、明治37(1904)年1月1日博多湾鉄道(大正9(1920)年3月25日博多湾鉄道汽船に社名変更)が、西戸崎-須恵間を開業させた。明治38(1905)年6月1日新原まで、同年12月29日宇美まで延伸、全通した。その後、明治42(1909)年8月1日貨物支線として酒殿-志免間が、さらに大正4(1915)年3月11日旅石まで延伸開業している。また、大正13(1924)年5月23日、和白から新博多(後の千鳥橋)まで開業させている。 一方、(あまり香椎線と関係ないのだが)筑前参宮鉄道が、宇美-筑前勝田間を大正7(1918)年9月19日に開業。大正8(1919)年5月20日、吉塚まで延伸している。博多湾鉄道汽船の路線とは、宇美と志免で接続していた。ただ、宇美のそれぞれの駅は100m程度離れていたようだ。 陸上交通事業調整法により、昭和17(1942)年9月19日、福博電車・九州鉄道(鹿児島本線の前身となった九州鉄道とは別)・筑前参宮鉄道とともに博多湾鉄道汽船も九州電気軌道によって合併され、同年9月22日西日本鉄道が誕生。西戸崎-須恵、酒殿-旅石間が、西鉄糟屋線となり、筑前参宮鉄道の吉塚-宇美間が西鉄宇美線となった。ちなみに、和白からの路線は西鉄貝塚線(現;西鉄宮路岳線)になっている。 軍事的に重要な路線と見なされた西鉄糟屋線・宇美線は昭和19(1944)年5月1日、戦時買収され、国鉄香椎線・勝田線となった。こうして、終戦をむかえる。 なお、博多-香椎-(香椎線)-酒殿-(貨物支線)-志免-(勝田線)-吉塚で三角形をしており、戦後一時期、客車時代の特急列車「かもめ」号の方向転換に利用されたこともあった。 昭和60(1985)年1月1日、酒殿-志免間の貨物支線が廃止され、現在の形が完成した。また、同年4月1日、勝田線が廃止され、JRで唯一、起終点両方の駅で他路線との連絡がない路線となっている。 炭鉱の斜陽とともに、昭和59(1984)年2月1日貨物輸送が廃止され、現在は福岡市への通勤・通学路線となっている。 | |
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西戸崎を出発すると、すぐ進行(宇美)方向右手に海が広がり、隣の海ノ中道駅まで博多湾の海が楽しめる。前方には、マリンワールドなどのリゾート施設が見える。和白まで博多湾にできた砂洲の上を走っているようだが、実際に海が見えるのは、この区間のみであった。あとは、砂丘の脇を走るようになる。風が強い日など、砂嵐の中を走るようになるので、それはそれでワイルドな感じを受ける。和白では、西鉄宮路岳線と合流し、すぐ国道3号線と鹿児島本線を跨ぐようにして香椎にむかう。 鹿児島本線との接続駅である香椎駅。ここで多くの客が入れ替わる。第14代仲哀天皇を祀る香椎宮、香椎駅よりお隣の香椎神宮前の方が近い。 香椎からしばらく住宅街の中を走り、山陽新幹線の降下したにある土井駅まで続く。多々良川を渡ると水田が広がるが、再び住宅が増えてきて長者原(ちょうじゃばる)。長者原では、篠栗線の路線を見ながら跨いでいく。長者原から進行(宇美)方向左手に駕与丁池と公園が見え、酒殿。 ここから、進行(宇美)方向左手に三郡山地が近づいてくる。駕与丁池もそうなのだが、この区間では大小の池を車窓に見ることができる、灌漑用のなのだろうか。須恵中央付近では、進行(宇美)方向右手に志免町にある炭鉱エレベーターを小さくではあるが見ることができる。この炭鉱エレベーターは、某焼酎メーカーのＣＭで使われたので有名である。 川幅の狭い宇美川を渡ると終点宇美駅に到着する。宇美駅から徒歩10分の所には、宇美神社があり、神攻皇后が第15代応神天皇を出産された地といわれ、安産育児の神様として信仰されている。宇美神社が近いこともあり、駅舎やバスターミナルが朱で色付けられている。また、駅前の時計兼観光案内のオブジェは、ずばり宇美のＵである。 車窓は、香椎までは進行(宇美)方向右がよい。それ以降は、左右それほど差がない。 | ||
