留萌本線

最終更新日2006.04.27.


● 基本データ

 留萌本線は、函館本線深川駅を始点とし、留萌駅を経て、日本海側の増毛駅に至る地方交通線(ローカル線)である。
 地理的にそして地形的に日本海側の良港として栄えた留萌港へ、石炭、木材、海産物等を輸送する路線が必要となり、国鉄により着工された。明治38(1905)年のことである。明治43(1910)年11月23日に深川-留萌間が開通、大正10(1921)年11月5日には増毛に達し、全通した。
 一方、鉄路は留萌から北に伸び、昭和6(1931)年8月15日までに支線として留萌-古丹別間が開業した。しかし、この区間は同年10月10日、留萌線から分離、羽幌線となっている。
 全通後は、主に雨竜炭田や留萌炭田から産出される石炭を運搬するのに活躍、近代産業発展に貢献した。
 地名等は「留萌」、線名・駅名は「留萠」であったが、平成9(1997)年4月1日に留萠駅が「留萌駅」に改称されたのを機に線名も「留萌本線」と改められた。
 本線とあるが、国内に30あまりある本線を名乗るJR路線の中では二番目に路線距離が短い(66.8km)。ちなみに一番短いのは筑豊本線(66.1km)。これは、支線扱いだった札沼線(昭和10(1935)年10月3日全通)、羽幌線(昭和33(1958)年10月18日全通)や、その他留萠鉄道(昭和16(1941)年10月1日買収)など、多くの路線を抱えていたからである。支線の合計は約140kmで本線より長かったとか。しかし、札沼線の新十津川-石狩沼田間の廃止(昭和47(1972)年6月19日)や羽幌線の廃止(昭和62(1987)年3月30日)をはじめ、そのほとんどが廃止されてしまい。とても寂しい本線となっている。
 最近、NHK連続テレビ小説『すずらん』(平成11(1999)年)、映画『すずらん/少女萌の物語』(平成12(2000)年)が、恵比島駅やその周辺をロケ舞台に使われた為、SLすずらん号が運行されるなど、にわかに賑わいを見せている。
 しかし、将来深川留萌自動車道が整備されれば、留萌本線の存続は危ういかも知れない。



深川-増毛間 66.8km

※ 本数の少なくなる留萌-増毛間が攻略がポイント。



[車窓の楽しみ方]
 始発駅の証明0kmポストは深川駅にあるが、下りの1本は旭川から運行されている(臨時列車を除く)。
 石狩沼田までは石狩平野の北端を走り、広々とした水田地帯を楽しむことができる。この区間は、秩父別、北秩父別、石狩沼田、真布、など昭和初期(大正年間)の味のある駅が多く面白い。石狩川の支流雨竜川を渡ると石狩沼田に着く。
 真布から谷の中に入り、観光客で賑わう恵比島駅に着く。NHK連続テレビ小説『すずらん』などのロケの舞台となった建物(中村旅館・駅長の家・他セット)は駅前に広がる。駅はロケ用に改装され、どこから見ても明日萌駅である。無人駅であるが駅前の中村旅館(10時から16時まで開館)には、管理人が常駐しており、暖房・水洗トイレが完備さているので安心である。明日萌関連のお土産も販売している。
 恵比島を出発すると空知支庁から留萌支庁に移る。行政区分が変わるだけでなく、時には天気が大きく変わることがある。特に、冬季には峠下駅では1時間に数cm積もることもあるようだ。ここからは、留萌川を車窓の左右に見ながらのんびり走り、河口に広がる港町留萌に着く。
 今だ残る旧羽幌線と分岐し、路線は海岸線に出る。ここからが留萌本線のハライト。間近に雄大な日本海を楽しむことができる。特に夕方、日本海に沈む夕日が素晴らしい。
 留萌から増毛まで約16kmの間に8つも駅があり、ひんぱんに列車は停車するようになるが、そのほとんどの駅がホームが列車1両の長さに満たないので驚かされる。俗に朝礼台駅とも言われるとか。
 増毛港を半周して終着増毛駅に到着。留萌本線の旅は終了する。車窓は、深川から留萌までは進行(増毛)方向左側、留萌から増毛までは右側の車窓が楽しい。
 増毛駅前は恵比島駅のように昭和初期の建物がそのまま残されているので、折り返しの列車待ち時間に少し楽しみたい(写真の建物は現在観光案内所として利用されている)。駅舎そのものも大正10年の建築だそうで、映画『駅・STATION』のロケで使われた渋い駅である。規模は小さいが、恵比島駅より人工的な臭さのようなものが少ないように感じられた。



● 乗りつぶし記録

  ・2006.03.19. 北海道完乗作戦で、深川→増毛間に乗車。完乗達成。
  ・2006.03.19. 同、増毛→恵比島→峠下→深川間に乗車。往復達成。


● 駅舎写真

深川駅(2006.03.) 北一巳駅(2006.03.)未下車 恵比島駅(2006.03.)
峠下駅(2006.03.) 留萌駅(2006.03.) 舎熊駅(2006.03.)未下車
箸別駅(2006.03.)未下車 増毛駅(2006.03.)



● おすすめ撮影ポイント

 撮影ポイントは、JR線路線別撮影地留萌本線にて紹介している。(このページに戻る際は、ツールバーの"戻る"を使って下さい))。
 この他、漁港の風情が写し込める箸別-増毛間、石狩平野を走る秩父別駅近く、カラマツ林の中を走る恵比島-峠下間など。



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