七尾線

最終更新日2008.12.06.


● 基本データ

 七尾線は北陸本線の津幡から能登半島を北上し、和倉温泉に至るJR西日本の地方交通線(ローカル線)である。単線電化で、津幡から能登半島の西岸を走り、羽咋から半島を横断し半島東岸の七尾や和倉温泉にむかっている。

 能登国の中心であった七尾には古くから国分寺などが置かれるなど栄えていたが、明治30(1897)年に七尾港は、特別輸出港の指定を受け貿易港となった。加賀地方からの貨物をこの七尾港へ集める目的で、地元の船主などが出資して七尾鉄道が設立され、翌明治31(1898)年4月24日に津幡仮-七尾-矢田新間が開業した。津幡仮停車場は現在の本津幡付近にあり、七尾市北東にあった矢田新駅は後に七尾港駅となったが、昭和59(1987)年2月1日の貨物支線(七尾-七尾港間)廃止に伴い現存しない。その後、明治33(1900)年8月2日、津幡口が延伸され官設鉄道(後の北陸本線)に接続したが、明治40(19007)年9月1日、鉄道国有法により七尾鉄道は買収・国有化された。明治42(1909)年10月12日の線路名称設定により七尾線となり、新たに官設鉄道として能登半島北端の輪島まで目指すことになった。
 大正14(1925)年12月15日に和倉(現;和倉温泉)、昭和3(1928)年10月31日に能登中島、昭和7(1932)年8月27日に穴水、昭和10(1935)年7月30日に輪島まで延伸されて全線が開通した。
 昭和62(1987)年4月1日の国鉄分割民営化により、JR西日本に移管。平成3(1991)年9月1日、津幡-和倉温泉間が電化(直流1500V)されたが、同時に和倉温泉-輪島間がのと鉄道に移管されることになった。七尾線が直流にされたのは、宝達駅付近で天井川をくぐるトンネルがあるからで、絶縁しにくい直流が採用された。しかし、北陸本線は交流なので、津幡付近にデッドセクションが設けられ、交直の切り替えをしている。
 のと鉄道に移管された穴水-輪島間は平成13(2001)年4月1日に廃止された。これは和倉温泉-輪島間の実に2/3にあたる。

 金沢市街への通勤・通学路線より和倉温泉をはじめ能登路への観光路線としての色合いが強い。その為、大阪・名古屋・越後湯沢からの特急が終点和倉温泉にむかう。このように、JRとのと鉄道で経営が分かれた和倉温泉までは特急が乗り入れてくるが、(JRの)普通列車は七尾までの運行で、その先にむかうにはのと鉄道のディーゼル車に乗り換えなければならない。


津幡-和倉温泉間 59.5km

※ 日中の時間帯に本数が少なくなるが、全体的に特急・普通列車とも本数が多く
乗りつくしは楽。ただ、前記の通り普通列車は七尾で乗り換えが必要になる。
[車窓の楽しみ方]
 七尾線の起点は津幡だが、七尾線の列車は全て金沢発着となっている。津幡から北に向って走り出すが、すぐに左カーブして北陸本線と分岐し、西にむかうようになる。北陸本線が遠ざかると、デットセクションに入り、車内の電気消える
 宇野気までは市街地を走り、この付近から進路を能登半島の海岸線に沿って北北東に変える。進行(七尾)方向左には日本海があるが、ただ車窓から海はまったく見えない。海岸(の縁)の方が標高が高いのか、地形は進行方向左から右になだからに下っているようになっている。左に海があると想像するとやや違和感がある。高松の集落などは、進行方向右手眼下に広がる。山のような地形は徐々に解消され、羽咋が近づくと平地になり、水田地帯が広がる。
 こうして、羽咋に着く。羽咋はUFOの目撃証言が多い街としても知られ、駅前ではUFOが出迎えてくれる。羽咋市街から北東に細長く邑知潟が広がるが、この邑知潟を渡ると、七尾線は邑知潟に沿うように進路を北東に変える。ちなみに、邑知潟には多くの白鳥が飛来するのだそうだ。
 ここからは進行(七尾)方向左にある県道と一緒に走り、進行方向右手には平原が広がる。羽咋から七尾までは能登半島中央部を南西から北東に横断するように走るが、七尾に近づくと半島東部に連なる山々のそびえる様が見えるようになってくる。そして、進行方向右に国分寺跡が見えると、線路は大きく左にカーブし、北にむきを変える。この時、今度は進行方向左手に水田地帯が広がるので、気持ちがよい。やがて、市街地がはじまり、進行方向右手から貨物線が近づき合流すると、七尾に着く。
 七尾は能登半島の有名な観光地、暖簾が改札にかかり、観光客を出迎えてくれる。そして、駅内には山車の巨大ながあり、驚かされる。これは、毎年5月の連休の祭で、昼夜七尾市内を曳行される曳山「でか山」の車輪だそうです。直径2メートルの総欅造で、重さ2トンと日本一の大きさで、江戸時代から約200年、平成10(1998)年まで実際に使われていたものなのだとか。このお祭りの名は青柏祭、国の重要無形民俗文化財に指定されているそうです。
 七尾線は隣の和倉温泉まで、特急はそのまま乗り入れているが、普通列車の場合のと鉄道の列車に乗り換えないとならない。乗り場もセパレートされているので、まるで七尾駅が分岐の駅のようだ。七尾を出発すると、すぐに進行(和倉温泉)方向右手に小出山城が見えるが、加賀藩の藩祖前田利家の出世城として知られている。七尾から谷がちな地形を走り、終点和倉温泉に到着する。和倉とは、温泉が海から湧く、涌浦から転じたものとも言われている。有名な温泉地でもあるので、この駅でも暖簾が出迎えてくれる。ただ、温泉街は駅から少し離れている。
 車窓は、進行(和倉温泉)方向左と右で、それほど差がない。



● 乗りつぶし記録

  ・2008.11.08. JR全線完乗作戦で、津幡→羽咋→宝達→七尾→和倉温泉間に乗車。完乗達成。
  ・2008.11.08. 同、和倉温泉→津幡間に乗車。往復完乗達成。



● 駅舎写真

津幡駅(2008.11.) 宝達駅(2008.11.) 羽咋駅(2008.11.)
七尾駅(2008.11.) 和倉温泉駅(2008.11.)



(ともりんが)行ってみたい撮影ポイント

 特に海岸部などを走ることもないので撮影地は少なさそう。



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