根岸線

最終更新日2008.02.17.


● 基本データ

 根岸線は、東海道本線(京浜東北線)の横浜駅から、根岸-杉田地区の臨海部、さらにベッドタウンとして開発が進められた洋光台・港南台などの丘陵地帯を結び、同線の大船駅に至るJR東日本の幹線路線である。

 横浜から桜木町までの区間は、明治5(1872)年の日本の鉄道創業時に建設された路線で、最も古い路線(の一部)ともいえる。桜木町は当時横浜駅と名乗り、明治20(1887)年7月11日に横浜-程ヶ谷-国府津間が延伸開業した際には、新橋(当時は東京)から来た列車は横浜駅でスイッチバックし、西にむかった。その後、神奈川-程ヶ谷間の横浜駅(現;桜木町)を経由しない短絡線が開業(明治31(1898)年8月1日)、横浜駅(2代目)が桜木町の北にでき桜木町-程ヶ谷間の廃止、初代の横浜駅が桜木町駅に改称(大正4(1915)年8月15日)、など路線の整理が進み、横浜駅を含め東海道本線が現在のルートになるのは、昭和3(1928)年10月15日とかなり経ってのことだった。
 その後、東海道本線の1支線として、特に路線の名称のないまま長距離列車の走らない電車専用路線となった。更に大正4(1915)年12月30日横浜-桜木町間の電化によって、京浜線(現;京浜東北線)の電車が桜木町まで乗り入れてくるようになった。このまま終戦を迎えるが、戦後まもなくの昭和26(1951)年4月24日、桜木町駅構内での工事で架線が垂れ、それが走行中の木造(部分が多い)列車にかかり、列車が全焼するという事故が発生した。これは、焼死者106人、重軽傷者92人を出す大惨事となった。この事故を受け、客車内には非常ドアコックの設置と表示が義務化されるようになった。

 桜木町から大船までは古くから桜大線(おうだいせん)の名称で路線延長が望まれていたが、昭和30年代の後半、根岸湾に臨海工業地帯が造成されるにあたって路線建設が具体化、昭和39(1964)年5月19日、まず桜木町-磯子間が延伸開業した。この際、東海道本線の1支線で、京浜東北線という通称と呼ばれていた路線に根岸線という名が付けられるようになった。昭和45(1970)年3月17日洋光台まで、 昭和48(1973)年4月9日大船間まで延伸され、全通した。
 開業年が浅いため、ほぼ全線が高架またはトンネルとなっていて、線内には踏切が一つもない。またカーブも比較的ゆるやかに作られている。

 横浜から大船間を走る東海道本線のバイパス路線の格好になっているが、東海道本線(または横須賀線)の横浜-大船間の所要時間は約16〜18分で、根岸線経由の場合には約30分で、バイパス路線としての役割は小さい。しかし、京浜東北線との直通運転によって横浜市南部から都心への通勤・通学の主要ルートとして機能している。また横浜線との直通列車もあり、横浜市北部と中心部・南部を結ぶ役割も担っている。
 また、土曜・休日には、横浜線から根岸線を経由して横須賀線の逗子まで直通する列車(1往復)がある。




横浜-大船間 22.1km

※ 数分おきの運転で距離も短いので、乗りつくしは非常に楽。



[車窓の楽しみ方]
 起点の始点を示す0kmポストは横浜駅構内にある。横浜駅を出発した列車は、大きく左にカーブし、京急本線をまたぎ南東にむかう。進行(大船)方向右手から、すぐに東急東横線の高架の廃線跡が合流してきて、左手には賑やかなみなとみらい21地区のランドマークタワーや高層ビル群が見えるようになってくると桜木町に着く。桜木町からは商業地区へと入っていき、多くのビルを見ながら関内になる。関内から進行(大船)方向左手に、横浜スタジアム、そして中華街の西にある延平門や西陽門が見えてくると石川町に着く。石川町は中華街や元町への最寄駅。また構内のステンドグラスも美しい。
 石川町を出発すると、山手の台地を抜ける為トンネルが続き、途中トンネル抜けるとに山手があり、再びトンネルを抜けると新日本石油のタンク群が広がり、コンビナートや工場を見ながら根岸に到着する。根岸構内には多数のタンク車が留め置かれていることが多く、壮観である。根岸からは、進行(大船)方向左手に首都高速湾岸線や国道357号線そして工場群、右手には丘陵地や住宅街を見ながら進み、磯子そして新杉田になる。さらに東京湾に沿って進んで金沢八景まで行くのはシーサードライン。根岸線は、大きく右カーブし、京浜急行本線をまたぎ丘陵地帯に入っていく。
 ここから先、トンネルが多くなり、洋光台、港南台と過ぎていく。駅は切通しに作られているので、見ることはできないが、これらは駅開業にあわせて開発が進められた典型的なニュータウンであり、駅前一帯には高層住宅が立ち並んでいる。本郷台を出ると、進行(大船)方向左手に割と大きな電留線がある。ここでは、早朝の大船駅からの始発電車を収容している。トンネルを越えて、大きく左カーブをすると東海道本線の路線と合流し、しばらく並走すると終点大船に到着する。
 車窓は、石川町まではみなとみらい21地区や中華街などの横浜中心街を望めるので、進行(大船)方向左手が楽しい。それ以降は、進行方向左右それほど差がない。



● 乗りつぶし記録

   乗車回数過多の為、省略。



● 駅舎写真

横浜駅(2006.01.) 桜木町駅(2006.09.) 関内駅(2006.09.)
石川町駅(2006.12.) 山手駅(2007.12.) 根岸駅(2007.12.)
磯子駅(2007.12.) 新杉田駅(2007.12.) 洋光台駅(2007.12.)
港南台駅(2007.12.) 本郷台駅(2007.12.) 大船駅(2007.12.)

全駅掲載



● おすすめ撮影ポイント

 撮影ポイントは、JR線路線別撮影地根岸線にて紹介している。(このページに戻る際は、ツールバーの"戻る"を使って下さい))。



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