江差線

最終更新日2010.03.19.


● 基本データ

 江差線は、函館本線の五稜郭から木古内駅を経由して日本海側の江差に至る路線である。
 五稜郭-上磯間(約8.8km)が上磯軽便線として大正2(1913)年9月15日開業。大正11(1922)年9月2日の線名改称で上磯線となった。改正鉄道敷設法別表第129号前段に「渡島国上磯ヨリ木古内ヲ経テ江差ニ至ル鉄道」、後段に「木古内ヨリ分岐シテ大島ニ至ル鉄道」と規定され、五稜郭から木古内へ、そこから西の江差、南へ松前へ渡島半島をYの字のように路線が建設されることになった。
 上磯-木古内間が昭和5(1930)年10月25日延伸開業、昭和10(1935)年12月10日に湯ノ岱、昭和11(1936)年11月10日に江差まで延伸し全通開業した。この際、五稜郭-江差線間の線名が江差線に改称された。
 一方、木古内から南に向かう路線は、福山線として木古内-渡島知内間が昭和12(1937)年10月12日に開業。沿線に軍需物質であるマンガン鉱石が発見され、路線建設が進みペースで進み昭和17(1942)年11月1日渡島吉岡まで延伸された。太平洋戦争の中断後、昭和28(1953)年11月8日松前まで延伸、松前線となった。この後、路線が工事されたが必要がなくなり、大島まで路線が延びることはなかった。


五稜郭-江差 間 79.9km

※ 乗りつぶしをする場合、普通列車で本数の少ない木古内-江差間の攻略がポイント。


 江差線に大きな転機が訪れる、昭和63(1988)年3月13日の青函トンネル開通とそれに伴う津軽海峡線の開業である。海峡線開通と合わせて電化等の改良工事が行われ、五稜郭-木古内間は今や本州と北海道を直結する幹線ルートとなり、多くの特急・貨物が行き交う路線となり、一方、木古内-江差間はローカル線と、分断される形となった。
 青函トンネル開通前の江差線・松前線はともに、国鉄再建法により特定地方交通線に指定され廃止寸前であった。特に赤字が酷かったのは木古内-江差間。しかし、津軽海峡線と連絡しているという理由から江差線は廃止を免れ、松前線は、トンネル開業の直前の昭和63(1988年)2月1日廃止されてしまっている。路線の名称で存続・廃止が決まっているので面白い。もし、津軽海峡線が新幹線規格に対応していなければ、松前線に連絡していたとされるので残念なことである。
 しかし、数年後開業予定の北海道新幹線よって、五稜郭-木古内間は第三セクター(鉄道)に、木古内-江差間は廃止される可能性が高い。


[車窓の楽しみ方]
 江差線の起点は、函館の隣五稜郭駅。もちろん五稜郭からきている。駅舎の駅名も五角形になっているのが面白い。函館本線と分岐するので特急も何本も停車し利用するのは便利だが、有名な五稜郭(タワー)へは、函館から市電かバスを利用するのがよい。
 五稜郭を出発すると列車は大きく逆Uの字を描きながら函館湾を走り出す。しばらくは市街地を走るが、上磯付近から海に近い所を走り、対岸の近い所に函館山が見えるので気持ちがよい。渡島当別を出発すると、進行(青森)方向右側に日本初の男子修道院トラピスト修道院が見える。建物は見えにくいが、建物まで至る並木道が車窓に入る。ここからは、津軽海峡の海を見ながら進み、天気がよいと対岸の下北半島を望め、恐山も何とかその姿をうかがうことができる。こうして木古内着。
 木古内を出発して、川を渡ると津軽海峡線と分岐、江差線は西に木古内川水系に沿ってのんびり走る。おだやかでいて、厳しさを写す光景は津軽のそれに似ているように感じられた。吉堀を出てしばらくすると、どんどん山の中へ入っていき、途中先の鋭く尖ったその名も尖岳を見ながら、山の上を目指す。なかなか急な勾配のようで、フーフーいいながら峠の最高点を稲穂トンネルに入る。
 トンネルを抜けると一転、急な下りになる。天ノ川のまるでサーキットのように蛇行しながら流れる川面に合わせながら路線も左右に大きくカーブする。宮越付近から大地は平らになり、天ノ川が作った畑作地帯を進み上ノ国。ここから北へ向きを変え、荒波多い日本海に見ながら走る。この区間は特に、夕方がよさそうだ。日本海と別れて江差の家々が多くなると終点江差に到着する。
 車窓は、五稜郭-木古内間は進行(江差)方向左側、木古内-吉堀間は右側、吉堀-江差間は左側がよい。



JR北海道制覇記念



● 乗りつぶし記録

  ・1994.02.03. 北海道初上陸で函館に行く、その際木古内←→五稜郭間に乗車。
  ・2001.05.11. 最東端の地へ、木古内→五稜郭間に乗車。
  ・2001.05.13. 上の帰り、北斗星にて五稜郭→木古内間に乗車。
  ・2002.07.19. 最北端の地へ、木古内→五稜郭間に乗車。
  ・2002.07.21. 上の帰り、北斗星にて五稜郭→木古内間に乗車。
  ・2005.03.11. 流氷作戦で網走へ、木古内→五稜郭間に乗車。
  ・2005.03.15. 上の帰り、五稜郭→木古内間に乗車。
  ・2006.03.17. 北海道完乗作戦で、木古内→五稜郭間に乗車。
  ・2006.03.21. 上の帰り、五稜郭→木古内→江差→木古内間に乗車。完乗・往復達成。
  ・2010.03.14. 北海道乗りつくしで、木古内→五稜郭間に乗車。
  ・2010.03.16. 上の帰り、北斗星にて五稜郭→木古内間に乗車。



● 駅舎写真

五稜郭駅(2006.03.) 木古内駅(2006.03.) 江差駅(2006.03.)



(ともりんが)行ってみたい撮影ポイント

 日本海側を走る、上ノ国-江差間など。




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