紀勢本線

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最終更新日2012.02.07.




亀山-新宮間 180.2km

※ 距離が長く、本数も少ない多気-新宮間が攻略のポイント。
● 基本データ

 日本で一番大きな半島、紀伊半島の海沿いを周るように走る紀勢本線は、関西本線の亀山駅から和歌山県の和歌山市駅に至る幹線路線である。
 半島の南東、新宮駅にて東はJR東海、西はJR西日本の路線になっている。私もこれに準じて路線を分けることにした。
 紀勢東線(亀山-多気間)、紀勢中線(新宮-串本間)、紀勢西線(串本-和歌山間)でそれぞれ開業した路線は、戦後の昭和34(1959)年1つに繋がり紀勢本線となった。本線の路線としては最も歴史の浅い全通開業である。

 路線の中で最も早く開業したのは亀山-津間で、関西鉄道が津支線として明治24(1891)年11月3日に開業させた。その先、伊勢神宮参拝の目的で参宮鉄道が、津-相可(現在の多気)-宮川間まで延伸させた。明治26(1893)年12月31日のことである。両社は明治40(1907)年10月1日に国有化され、明治42(1909)年10月12日の線路名称制定で亀山-相可(現;多気)-山田間が参宮線となった。
 相可(現;多気)より志摩半島の付け根を南下、海沿いの三木里(尾鷲の3つ先)に至るルートが紀勢東線として設定され建設がはじまる。昭和5(1930)年4月29日紀伊長島まで、そして昭和9(1934)年12月19日、尾鷲まで延伸した。
 一方、紀勢中線と紀勢西線の路線が昭和15(1940)年8月8日に繋がり、紀伊木本(現;熊野市)-和歌山(現;紀和)間が紀勢西線となった。戦後、紀勢東線は昭和33(1958年)4月23日三木里まで路線を伸ばし、東に路線を伸ばしてきた紀勢西線と三木里で繋がり、昭和34(1959)年7月15日全通した。全通後、参宮線の亀山-多気間が紀勢本線に編入され、亀山-和歌山(現;紀和)間が紀勢本線となった。
 昭和62(1987)年4月1日 国鉄分割民営化により亀山-新宮間がJR東海、新宮-和歌山市間がJR西日本に移管された。
 かつては、東京-紀伊勝浦間に亀山駅経由で夜行特急「紀伊」(昭和59(1984)年廃止)が、特急「くろしお」などが名古屋-和歌山-天王寺間を走っていたりと、この路線を賑わせていたが、現在は全区間を走る列車(及び優等列車)はない。JR東海管内の紀勢本線では、現在名古屋駅から伊勢鉄道経由で紀伊勝浦駅まで特急「(ワイドビュー)南紀」が、同じく名古屋駅から伊勢鉄道経由で参宮線鳥羽まで快速「みえ」が運転されている。なお、普通列車で名古屋発着のものはなく、またほとんどの区間でワンマン運転を行っている。
[車窓の楽しみ方]
 亀山駅から関西本線と別れて、すぐに鈴鹿川を渡る。架線柱もないので、とても見晴らしがよい。川を渡ると山の中へ。昭和62(1987)年、名古屋方面から短絡する伊勢鉄道が河原田-津間に開業した為、亀山-津間はローカル線区間になってしまい、ローカル線の典型的な風情が広がる。山の中に入ることを2度ほど繰り返し、路線は伊勢平野に入っていく。8月下旬には、すでに稲は黄金色に色づき、一部では刈取りが行われていた。この付近では刈取りが早いようだ(それとも二期作?)。
 日本一短い駅名を眺めて、列車は更に伊勢平野を進んでいく。高茶屋-六軒間は平野の果てまで水田が広がるので、すがすがしい気分になれる。また、夕暮れ時も素晴らしい。近鉄線の路線が近づいてくると松阪駅に着く。松阪牛で有名なお土地柄、駅のうどんも肉が一杯だった。
 櫛田川を渡ると多気駅。ここから、深い林の森に入っていく。大内山川に沿って進んで行き、遠方には大台ケ原の山々が見える。大内山川は時に渓谷のような表情を見せる。この区間は、降水量が多い場所で、杉の名産地となっている。大きく成長した杉が規則正しく植えられているので見事である。梅ヶ谷駅付近の進行(新宮)方向右手には、"杉が生えそろう山々を対岸に持ち、青々とした水田が広がる"という素晴らしい谷が見える。その谷はすぐ林の中に隠されてしまい、長い荷坂トンネルに入っていく。その長い闇を抜けると突然青い海が広がり、すぐに市街地を走るようになると紀伊長島駅に着く。ずっと山風景だったので、かなり驚かされる。
 紀伊長島からは、海沿いを走る。。。のだが、この区間は三陸海岸と並ぶ有名なリアス式海岸区間で、しばらくはトンネルが続き、トンネル・海を繰りかえす。また、ここは紀勢本線が最後に開通した区間でもあり、路線建設が如何に大変だったかを伺える。熊野市駅から長い砂浜の海岸線の横を走り、大きく広がる太平洋(角度にして100°位)を望むことができる。時々、海岸線から離れるのだが、その際沿線にみかん畑が見られる。海岸から大きくカーブすると鵜殿駅。そして、川幅の広い熊野川をオーバートラスト橋で渡ると、新宮駅に到着する。
 車窓は、進行(新宮)方向左手が(海が広がるので)面白い。高茶屋-六軒間の水田風景や梅ヶ谷駅付近の美しい谷は右側に広がるので、どちらもすて難い。



● 乗りつぶし記録

  ・2001.09.07. 名鉄線攻略・南紀旅行で津→松阪間に乗車。
  ・2001.09.08. 同、松阪→新宮間に乗車。
  ・2005.08.19. JR東海攻略作戦亀山→松阪→多気間に乗車。完乗達成。
  ・2006.08.16. 北九州攻略作戦で、亀山→松阪/松阪→亀山間に乗車。
  ・2011.07.30. 南紀遠征で、亀山→波田須/阿田和→新宮間に乗車。
  ・2012.01.08. 東海遠征で、松坂→伊勢柏崎間に乗車。



● 駅舎写真

亀山駅(2005.08.) 一身田駅(2005.08.) 津駅(2005.08.)
阿漕駅(2006.08.) 松阪駅(2001.09.) 徳和駅(2011.07.)
多気駅(2005.08.) 三瀬谷駅(2001.09.) 滝原駅(2011.07.)
伊勢柏崎駅(2012.01.) 紀伊長島駅(2011.07.) 尾鷲駅
波田須駅(2011.07.) 熊野市駅(2011.07.) 阿田和駅(2011.07.)
新宮駅(2001.09.)



● おすすめ撮影ポイント

 撮影ポイントは、JR線路線別撮影地紀勢本線にて紹介している。(このページに戻る際は、ツールバーの"戻る"を使って下さい))。



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