紀勢本線

紀勢本線(亀山〜新宮間)へ >>>

最終更新日2012.02.09.




和歌山-新宮間 200.7km
和歌山-和歌山市間 3.3km
計204.0km

※ ほぼ毎時に運転されている特急を使えば乗りつぶしは容易。普通列車は本数が少ないので注意が必要。また、亀山-和歌山まで乗りつぶす場合は1日を覚悟しておいた方がよい。
● 基本データ

 日本で一番大きな半島、紀伊半島の海沿いを周るように走る紀勢本線は、関西本線の亀山駅から和歌山県の和歌山市駅に至る幹線路線である。
 半島の南東、新宮駅にて東はJR東海、西はJR西日本の路線になっている。私もこれに準じて路線を分けることにした。
 紀勢東線(亀山-多気間)、紀勢中線(新宮-串本間)、紀勢西線(串本-和歌山間)でそれぞれ開業した路線は、戦後の昭和34(1959)年1つに繋がり紀勢本線となった。本線の路線としては最も歴史の浅い全通開業である。なお、JR西日本管内の新宮-和歌山間には"きのくに線"という愛称がついている。

 JR西日本管内(新宮-和歌山市間)でもっとも古くに建設がはじまったのは、和歌山駅周辺の路線で、明治36(1903)年3月21日、紀和鉄道が和歌山(現;紀和)-和歌山市間を開業させたことにはじまる。 関西鉄道が紀和鉄道の路線を買収(明治37(1904)年8月27日)、さらに関西鉄道が国有化され(明治40(1907)年10月1日)、明治40(1909)年10月12日、五条-和歌山(現;紀和)-和歌山市間が和歌山線とされた。
 次は、三輪崎-勝浦(現;紀伊勝浦)間で、新宮鉄道が大正元(1912)年12月4日開業させた。路線建設の目的は新宮から木材などを勝浦の港に運ぶことであり、翌大正2(1913)年3月1日、新宮まで路線を伸ばした。昭和9(1934)年7月1日買収・国有化され、新宮-紀伊勝浦間が紀勢中線となった。紀勢中線は東西に伸び、西は昭和11(1936)年12月11日串本まで、東は昭和15(1940)年8月8日紀伊木本(現;熊野市)まで延伸した。
 一方、半島の西側では、大正13(1924)年2月28日紀勢西線として和歌山(現;紀和)間-東和歌山(現;和歌山)-箕島間が開業。昭和5(1930)年12月14日には御坊、昭和7(1932)年11月8日には紀伊田辺、のように小刻みに路線を伸ばし、昭和15(1940)年8月8日串本まで伸びたところで紀勢中線と繋がり、同時に開業した紀勢中線の紀伊木本までを合わせて、紀伊木本-和歌山間が紀勢西線となった。
 参宮線(亀山-相可(現;多気)-山田間)の相可より路線を南下、海沿いの三木里(尾鷲の3つ先)に至るルートが紀勢東線として建設され、昭和5(1930)年4月29日紀伊長島まで、そして昭和9(1934)年12月19日、尾鷲まで延伸した。戦後、紀勢東線は昭和33(1958年)4月23日三木里まで路線を伸ばし、紀伊木本より東に路線を伸ばした紀勢西線と三木里で繋がり、昭和34(1959)年7月15日全通した。全通直後、参宮線の亀山-多気間が、昭和47(1972)年3月15日和歌山線の紀和-和歌山市間が紀勢本線に編入され、亀山-和歌山市間が紀勢本線となった。そして、昭和62(1987)年4月1日国鉄分割民営化により亀山-新宮間がJR東海、新宮-和歌山市間がJR西日本に移管された。

 かつては、特急「くろしお」などが名古屋-和歌山-天王寺間を走破していたが、現在は全区間を走る列車はない。京都駅・新大阪駅・天王寺駅からは新宮駅まで特急「くろしお」・「スーパーくろしお」・「オーシャンアロー」が運転されている。また、沿線で朝釣りをする人達に利用されていたことから"太公望列車"とも呼ばれていた夜行普通列車もあったが廃止されてしまった(平成12(2000)年9月30日)。
[車窓の楽しみ方]
 まず支線の車窓から紹介する。和歌山から本線とは逆に北に進んでいくが、すぐに左にカーブし、西へ住宅街の中を進んでいく。支線であるが、徐々に賑やかになっていくような雰囲気だ。進行方向右後方から近づいてきた南海本線の線路と合流すると終点和歌山市に到着する。和歌山市の駅は、南海鉄道と併用なので行先案内も一緒になっている。むしろ南海線の方がメインのようだ。

 紀勢本線は電化されているが、普通列車は短い編成でのんびり走っていく。和歌山駅からしばらく市街地が続く、海南駅を出たあたりから海が見えるようになり、進行方向に和歌山市街が見える。箕島駅から藤並駅まで有田川沿いを走り、山の斜面にはみかん畑が広がる。藤並からしばらく山の中に入り、弁慶が誕生したとされる御坊駅に着く、駅前には弁慶の像がある。また、御坊は最も路線の短い(2.7km)紀州鉄道の始発駅でもある。
 印南駅近くのカエルに驚かされた後、紀伊水道のが広がり、紀伊田辺駅近くまで海沿いを走ってくれる。観光地で有名な白浜駅を出発、列車の車窓はしばらくトンネル・海を繰りかえし、徐々に砂浜から岩礁に変わってくると、本州最南端の駅串本に着く。本州最南端の潮岬まで串本駅からバスで約20分程。また、駅から岸壁に出て(徒歩数分)串本大橋を眺めるのも面白い。
 串本駅を出て数分、弘法大師が橋を作ろうとしたと言われる橋杭岩の岩列が見える。ここからしばらく、海が素晴らしいので車窓に注目してもらいたい。捕鯨基地で有名な太地駅、観光地で有名な紀伊勝浦駅、熊野神社の玄関口那智駅と通過し、新宮駅に到着する。
 座席は、進行(新宮)方向右側が絶対よい。



● 乗りつぶし記録

  ・2001.09.08. 名鉄線攻略・南紀旅行で新宮→和歌山間に乗車。
  ・2008.07.19. 近畿完乗作戦で、和歌山市→和歌山→和歌山市間に乗車。完乗達成。
  ・2011.07.30. 南紀遠征で、新宮→湯川間に乗車。
  ・2011.07.30. 同、湯川→紀伊田原/古座→御坊/御坊→和歌山間に乗車。



● 駅舎写真

新宮駅(2001.09.) 紀伊勝浦駅 湯川駅(2011.07.)
紀伊田原駅(2011.07.) 古座駅(2011.07.) 串本駅(2001.09.)
周参見駅(2001.09.) 紀伊日置駅(2011.07.) 白浜駅
紀伊田辺駅(2001.09.) 御坊駅(2001.09.) 紀伊由良駅(2001.09.)
海南駅 和歌山駅(2008.07.) 和歌山市駅(2008.07.)



● おすすめ撮影ポイント

 撮影ポイントは、JR線路線別撮影地紀勢本線にて紹介している。(このページに戻る際は、ツールバーの"戻る"を使って下さい)
 この他、切目-岩代間の海岸を行く列車や、周参見-見老津間の「枯木灘」と列車なども撮影してみたい。



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