小野田線

最終更新日2006.09.30.


● 基本データ

 小野田線は、宇部線の居能駅から山陽本線の小野田駅間と、途中雀田駅から分岐して長門本山駅に至るJR西日本のローカル線(地方交通線)である。雀田-長門本山間は支線は本山支線もしくは本山線と呼ばれている。かつては石灰石や石炭輸送で賑わったが、現在は旅客輸送が中心となっている。また、本山支線では平成15(2003)年3月14日まで旧型国電車輌クモハ42形電車が運転されていたことで有名である。
 路線の歴史は、小野田軽便鉄道(後に小野田鉄道と改称)が建設した小野田-小野田港間と、宇部電気鉄道(後に宇部鉄道に合併)が建設した居能-長門本山間に大別できる。
 まず、小野田軽便鉄道(大正12(1923)年小野田鉄道に社名変更)が大正4(1915)年11月25日、小野田-セメント町(現;小野田港)間を開業させている。当時小野田港には日本初の民間経営によるセメント会社の小野田セメント(後の秩父小野田、現;太平洋セメント)の工場があった。一方、この地域にあった新沖ノ山炭鉱で産出された石炭を宇部港に運ぶ為、宇部電気鉄道が設立され、昭和4(1929)年11月29日新沖ノ山(雀田付近)-沖ノ山旧鉱(後に宇部港)が開業している。昭和6(1931)年7月21日、宇部鉄道と宇部電気鉄道路線を結ぶ形で、宇部新川-沖ノ山旧鉱間の貨物線が開業。さらに、昭和12(1937)年1月21日本山炭鉱から産出された石炭を運ぶ目的で雀田から路線が分岐し、雀田-本山(昭和18(1943)年5月1日長門本山に改称)間が開業した。
 昭和16(1941)年11月29日、宇部鉄道が宇部電気鉄道を合併。宇部-小郡(現;新山口)間が本線に、宇部電気鉄道が持っていた路線が臨港線となった。
 石炭などの重要物資の輸送路線として貨物輸送強化の観点から、昭和18(1943)年4月1日、小野田鉄道全線が、同年5月1日宇部電気鉄道が国有化された。これにより、小野田-小野田港間が小野田線、宇部鉄道臨港線が宇部西線となった。
 戦時中、宇部・小野田線の整理が計画、実施されたが昭和20(1945)年6月20日、宇部東線(現在の宇部線)とを繋ぐ貨物支線として岩鼻-居能間が開業のみである。戦後、昭和22(1947)年10月1日、新沖山-雀田間が廃止、新たに小野田港-雀田間が開業し、小野田-小野田港間の小野田線が宇部西線に編入された。しかし、昭和23(1948)年2月1日宇部西線が小野田線に改称。現在の形が誕生した。




居能-小野田間 11.6km  雀田-長門本山間 2.3km  計13.9km

※ 居能-小野田間は通勤・通学路線なので朝夕に本数が多く、また日中でも1時間から1時間半に1本あるので、
乗りつぶしは比較的容易。しかし、本山支線は朝2夕3本の5本しかないので、周到な計画が必要。



[車窓の楽しみ方]
 小野田線の始発は居能駅だが、全ての列車はお隣の宇部線宇部新川駅から出発する。居能を出発すると、宇部線と分岐し、路線は西にむかう。分岐してすぐに厚東川を渡る。進行(小野田)方向右側には厚東川大橋、左側遠方には興産大橋が見え、両岸には工場が立ち並ぶ。河口近くで川幅が長いので、とても気持ちがよい。川を渡ると里山に風景が変わる。所々に炭鉱住宅などが見え、ここが炭鉱で賑わっていたことを窺い知ることができる。そうして雀田駅に着く。
 本山支線が発着するので、雀田駅は珍しい三角形のホームをしている。写真右は小野田から列車、左はこれから長門本山にむかう列車である。また、ホーム横には支線用の0kmポストがある。ここから本山支線の車窓を紹介。
 雀田を出発すると、水田地帯が広がる。宇部炭田で有名は土地だが、車窓から炭鉱の遺構を見ることはできない。宇部炭鉱は海中深く掘削していったからかもしれない。水田地帯をコトコト走り、すぐ終点長門本山駅に到着する。
 雀田から本線、お隣の小野田港に近づくと車窓に工場群が見えるようになる。しばらく、工場城下町を走り、進行(小野田)方向左側の車窓に有帆川が広がると目出。ここから、小野田市街が遠方に見える。だんだん、住宅が増えてきて、山陽本線と合流すると終点小野田駅に到着する。
 車窓は、進行(小野田)方向左側左側が面白い。本山支線は、左右あまり変わりがない。



● 乗りつぶし記録

  ・2006.08.20. 北九州攻略作戦で、居能→雀田→長門本山間に乗車。
  ・2006.08.20. 同、長門本山→雀田→小野田間に乗車。完乗達成。



● 駅舎写真

居能駅(2006.08.) 雀田駅(2006.08.) 長門本山駅(2006.08.)
小野田駅(2007.04.)



(ともりんが行ってみたい)おすすめ撮影ポイント

  厚東川を渡る列車などを撮影してみたい。



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