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2012-01-19
_ [商品情報] パラダイス・クローズド(THANATOS)
講談社 より税込価格¥903-
[要旨]周囲の者が次々と殺人や事故に巻き込まれる死神体質の魚マニア・美樹と、それらを処理する探偵体質の弟・真樹。彼ら美少年双子はミステリ作家が所有する孤島の館へ向かうが、案の定、館主密室殺人に遭遇。犯人は館に集った癖のあるミステリ作家たちの中にいるのか、それとも双子の…?最強にして最凶の美少年双子ミステリ。第37回メフィスト賞受賞作。
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お客様のcokedon様から推薦された本書。主人公はタナトス(ギリシャ神話における死を司る神)ってタイトルならしても双子の兄:美樹…と、まぁ弟の真樹なんだろうけど、物語はその双子の護衛(御守り役)を任命された刑事・高槻の視点から描かれている。「涼宮ハルヒの憂欝」におけるキョンと思っていただいて差し支えない。「薬師寺涼子の怪奇事件簿」における泉田準一郎警部補の方が近いかな?とにかく常軌を逸してはいるが、それゆえに魅力的な主人公を描く場合、主人公の視点で物語を描くと、常人であり凡人である我々には理解出来ない代物となってしまうので、やはり常人であり凡人である第三者からの視点で描く手法を取ったことで非常に読みやすくな仕上げてある。
だけどさ…事件は解決するけどトリックなんてどうでもいいんだよ、別に俺達が立証する必要なんてないなんて台詞はミステリー小説を根底から覆してないか?それ故に斬新とも言えるが、正直ビビった。そしてミステリー小説ってのは読者にも動機やトリックを探偵気分で推理させるトコロが醍醐味だと思うのだが、推理させる材料(動機、物証および状況・証言の違和感)は殆ど与えられない。これはむしろミステリーと言うより双子と高槻刑事のキャラ設定に重きを置いたシリーズ第一章と言うべきなのではないだろうか?とにかくミステリー小説もボチボチ読み慣れている店主のとっても、あまりに異質なミステリー小説だ。
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