函館本線
最終更新日2010.03.19.
● 基本データ
函館本線は、函館から長万部-小樽-札幌-旭川の道南・道央の主要大都市を結ぶという北海道の大動脈である。
北海道の最重要路線として、明治13(1880)年より小樽-札幌間の建設がはじまる。函館-小樽間は民営の北海道鉄道会社が建設を進め、明治37(1904)年10月に函館-小樽(当時高島)間、明治38(1905)年8月に小樽-南小樽間が開業し、北海道炭鉱鉄道所有の路線に接続して函館-旭川間が全通した。明治40(1907)年7月国有化された。さらに、明治41(1908)年3月7日青函連絡船就航、これにより本州との物流路線としての重要性は増した。昭和63(1988)年3月13日の青函トンネルの開通によって本州との直通列車の乗り入れが始まった(現在は主に夜行列車と貨物列車)。
しかし、山岳路線(山線といわれている)長万部-小樽間がネックとなり、全線を直通する列車は1本もない(函館-長万部-小樽を結ぶ列車が存在しない)。平坦で高速走行ができるから、昭和61(1986)年11月より札幌方面への特急・急行列車が全列車室蘭本線経由となったからである。函館から小樽(札幌)へは、長万部から室蘭本線・千歳線を経由して札幌に出て小樽へ行った方が、距離は100kmも遠いのに、時間的には早い。少しさかのぼり昭和55年(1980年)10月に千歳空港駅が開業、北海道の玄関は新千歳空港になり、更に函館-小樽の需要は少なくなった。
なお、七飯-大沼-森間は8の字になっているが、大沼-渡島砂原-森間(砂原回り)は、急勾配がある駒ヶ岳回りの本線のバイパスとして、そして太平洋戦争中の輸送力増強の為、渡島海岸鉄道(森-砂原間)、大沼電鉄(新銚子口-鹿部間)という2つの私鉄を買収、建設されている。
今日の函館本線は(歴史的な分断により)、特急が行き交う函館-長万部間(観光路線)、山岳路線の長万部-小樽間(ローカル線)、観光地を結ぶ小樽-札幌間(観光路線)、都市の中を走る札幌-旭川間(通勤路線)、という性格の異なる4つの路線が集まっている感がある。近い将来北海道新幹線の開業によって、さらに函館本線の様相が様変わりすることが予想される。
函館-旭川間 423.1km 大沼-森間 35.3km 七飯-大沼間 13.2km
※ 乗りつぶしをする場合、普通列車で本数の少ない長万部-小樽間
や大沼-渡島砂原-森間(砂原回り)の攻略がポイント。
[車窓の楽しみ方]
函館→長万部間は、駒ケ岳と噴火湾(内浦湾)が車窓のメイン。列車は北海道の基点0kmを背にして出発する。函館山に別れを告げ函館市内を走ると山の中へ。それを過ぎると小沼と駒ケ岳が進行(札幌)方向左手にあらわれる。
大沼駅手前で、線路は2つに分岐し、本線では観光地基地大沼公園駅になる。駅標が駒ケ岳と大沼をあらわしているから面白い。大沼公園を過ぎると、駒ケ岳が右手に見ながら進んでいく。市街地が見えはじめ、海に沿うようになると森になる。駅では駒ケ岳が望めるので気持ちがよい。砂原回りは、左手に駒ケ岳、右手遠方に噴火湾を見ながら、のんびり森駅に到着する。途中、新幹線の100系が待合室(たぶん)に利用されている流山温泉駅などに驚かされるが。
森駅といえば有名ないかめし。駅内のキヨスクで販売されている。森駅からは右手に噴火湾の比較的穏やかな海が見ることができる。天気がいいと、室蘭-洞爺付近の対岸も望めることも(函館に向かう場合、噴火湾の先に駒ケ岳なんて風景も)。この区間は、進行(札幌)方向右側に座った方がよい。
長万部→小樽間は、まず長万部温泉で銭湯感覚の温泉を楽しみたい。駅から北西に徒歩10分ほど。また、特急の車内で駅前のそば屋さん(合田さん)のもりそばを購入することができる。
この区間のディーゼルカーの普通列車のみ。室蘭本線と分かれ、針路を大きく北に向け山の中に入っていく。北限のブナの木があるのは、途中の黒松内。やがて、左手にニセコアンヌプリ、そして右手に羊蹄山を車窓に映す。この区間は、川に沿って路線が激しく蛇行するので、右に座っても左に座っても美しい山々が楽しめる。この区間で特筆すべきは比羅夫であろう。日本で唯一駅舎に泊まれる民宿がある駅だからである。まずは待合室のマスコットしま太郎は出迎えてくれる。客室は昔の宿泊施設を利用しているので、駅員の気分を体験できる。
小樽→札幌→旭川間は、小樽をでてずぐ左手に日本海(石狩湾)を見ながら進み。銭函駅から市街地が広がり札幌に入る。近郊区間には電車が運転されているが、ドア付近にささらがあるなど、様々ところで北海道仕様を垣間見ることができる。また、札幌近くの苗穂車輌基地では日本ハムファアイターズ応援号が出番を待っている。
札幌からは平坦な石狩平野に多くの住宅を見ることができる。途中、豊平川を渡る。バンエイ競馬の力強い馬が出迎えてくれる岩見沢は、大きな臼で多量の米をつく百餅祭りがあるのでも有名である。駅内にその様子を知ることができる。
深川付近で、イルムケップ山が見えてくると、函館本線の旅もそろそろ終盤。長い神居トンネルを抜けると旭川市街が広がり、終点旭川に到着する。
札幌を発着して函館本線を走る夜行列車として、北斗星、トワイライトエクスプレス、はまなすなどがある。
● 乗りつぶし記録
・1994.02.03. 北海道初上陸で函館に行く、その際五稜郭←→函館間に乗車。
・2001.05.11. 最東端の地へ、函館→長万部間に乗車。
・2001.05.12. 最東端の地から大回しをし旭川→札幌間に乗車。
・2001.05.13. 上の帰り、北斗星にて札幌→白石/長万部→函館間通過。
・2002.07.19. 最北端の地へ、函館→長万部間通過。
・2002.07.19. 夜行特急利尻に乗り換え札幌→旭川間通過。
・2002.07.21. 富良野から札幌へ。滝川→札幌間通過。
・2002.07.21. 上の帰り、北斗星にて札幌→白石/長万部→函館間通過。
・2005.03.11. 流氷作戦で網走へ、函館→長万部間に乗車。
・2005.03.15. 上の帰り、札幌→長万部→函館間(山線)に乗車。 途中下車・・・倶知安
・2006.03.17. 北海道完乗作戦で、函館→長万部/白石→札幌間に乗車。
・2006.03.18. 同、札幌→白石/白石→桑園/桑園→白石間に乗車。
・2006.03.19. 同、旭川→深川/深川→滝川間に乗車。
・2006.03.20. 同、滝川→岩見沢間に乗車。
・2006.03.21. 上の帰り、長万部→森→大沼→函館間に乗車。完乗達成。
・2010.03.15. 北海道乗りつくしで、函館→大沼/大沼公園→長万部→比羅夫間に乗車。
・2010.03.16. 同、比羅夫→小樽→ほしみ→琴似間に乗車。
・2010.03.16. 同、札幌→苗穂→札幌間に乗車。
・2010.03.16. 上の帰り、北斗星にて札幌→白石/長万部→函館間に乗車。
● 駅舎写真
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函館駅(2006.03.)
| 旧函館駅(1994.02.)
| 五稜郭駅(2006.03.) |
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渡島大野駅(2010.03.)
| 大沼駅(2010.03.)
| 大沼公園駅(2010.03.) |
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渡島砂原駅(2006.03.)未下車
| 森駅(2006.03.)
| 長万部駅(2006.03.) |
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蕨岱駅(2010.03.)未下車
| 黒松内駅(2010.03.)
| ニセコ駅(2010.03.)未下車 |
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比羅夫駅(2010.03.)
| 倶知安駅(2005.03.)
| 小樽(2005.03.) |
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ほしみ駅(2010.03.)
| 手稲駅
| 琴似駅(2010.03.) |
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桑園駅(2006.03.)
| 札幌駅(2006.03.)
| 工事中の札幌駅南口(2001.05.) |
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工事中の札幌駅北口(2001.05.)
| 苗穂駅(2010.03.)
| 白石駅(2006.03.) |
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岩見沢駅(2006.03.)
| 美唄駅(2006.03.)
| 砂川駅(2006.03.) |
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滝川駅(2002.07.)
| 深川駅(2006.03.)
| 旭川駅(2002.07.) |
● おすすめ撮影ポイント
撮影ポイントは、JR線路線別撮影地函館本線にて紹介している。(このページに戻る際は、ツールバーの"戻る"を使って下さい))。
この他、噴火(内浦)湾沿い(石倉-落部間)など。
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