吉備線

最終更新日2006.06.04.


● 基本データ

 吉備線は、山陽本線の岡山駅から伯備線の総社駅までを結ぶ地方交通線(ローカル線)である。神代の時代から書物に登場する土地で、沿線に古墳や吉備津神社をはじめ豊臣秀吉の水攻めで有名な備中高松城など歴史的に有名な場所をかかえる。
 古来より、中国山地の産物を高梁川の水運(高瀬舟)で玉島港(倉敷市玉島)まで運んでいたが、中流の総社付近で陸揚げして、岡山市内に運ぶ計画が持ち上がり吉備鉄道が設立された。しかし、吉備鉄道は未開業のまま中国鉄道に合併され、明治37(1904)年11月15日、中国鉄道吉備線として岡山-湛井(総社市川尻野付近)間が開業。また、高松稲荷への参拝客を運ぶ為、明治44(1911)年5月1日、稲荷(現;備中高松)-稲荷山間の支線(稲荷山線;2.4km)が開業した。
 伯備南線(現;伯備線)の倉敷-穴栗(現;豪渓駅)間が開業した際、物資輸送の役目は伯備線に移り、伯備線と平面交差をさせる為、吉備線の総社(現;東総社)-湛井間が大正14(1925)年2月17日廃止、総社-西総社(現;総社)間に路線が移し変えられた。
 時代が戦争に突入すると、支線である稲荷山線が昭和19(1944)年1月10日廃止。中国鉄道の鉄道部門(吉備線・津山線)が戦時買収私鉄指定により国有化され、同年6月1日岡山-西総社(現;総社)間が吉備線となった。中国鉄道はバス会社となり、昭和42(1967)年4月1日、中鉄バスに社名を変更している。




岡山-総社間 20.4km

※ 特急列車も普通列車も充実しているので、乗りつぶしは容易。ただ、普通列車の場合は数回の乗換えが必要になる。


 こうして、現在の形になったが、吉備線の岡山-総社間は20.4kmで山陽本線・伯備線経由の26.6kmよりも短いが、所要時間は伯備線経由の方が短い。
 戦後はマイカー時代となり、吉備線も乗客減に悩まされるようになった。信号の近代化(昭和43(1968)年)やワンマンカー化(平成3(1991)年)で挽回をはかっているが芳しくなく、2003年JR西日本は、将来的に吉備線のLRT(次世代型路面電車)化を検討していることを発表した。同様に富山港線が平成18(2006)年3月1日廃止、同年4月29日富山ライトレール富山港線とLRT化されている。しかし、吉備線は富山港線(8.0km)より路線距離が長いなど問題は多い。



[車窓の楽しみ方]
 岡山駅を出発すると山陽本線と分岐、大きく右にカーブし市街地に入っていく。岡山から2つ目の大安寺では、すでにローカル線独特ののんびりした光景がはじまる。しばらくは家並みの中を走るが、備前一宮からは田園風景が多くなり、 吉備津神社の大きな鳥居が見えてくると吉備津に着く。
 山陽自動車道をくぐると広い平野が広がり、進行(総社)方向右手にポッんと木立に囲まれた場所が見えるが、それが水攻めで有名な高松城跡である。車窓からだとやや分かりにくいので、途中下車して見学してみたい、備中高松駅から北に徒歩10分ほど。水攻め時の陣配置などを知ることができる。
 足守川を渡ると江戸時代の古い街並を残す足守。江戸時代の蘭学者・緒方洪庵の生誕地でもある。足守から服部の間は岡山自動車道の下を走るので(進行(総社)方向右手の)車窓は面白くない。
 岡山自動車道と分かれると再びのんびりとした田園風景が広がり、終点総社駅の吉備線乗り場に到着する。
 岡山平野の雄大な光景を楽しむなら進行(総社)方向左がややよいが、吉備津神社の大鳥居や高松城跡は右側に見える。



● 乗りつぶし記録

  ・2006.03.12. 出雲撮影旅行で、総社→岡山間に乗車。完乗達成。



● 駅舎写真

岡山駅(1998.03.) 大安寺駅(2006.03.)
総社駅(2006.03.)



(ともりんが)行ってみたい撮影ポイント

 吉備線を走る列車を撮影したことがないので、行ってみたい撮影ポイントを紹介。
 花菖蒲と列車を撮影することができる備前一宮駅付近と吉備津神社の大鳥居が撮影できる吉備津-備中高松間など。



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