指宿枕崎線

最終更新日2009.08.24.




鹿児島中央-山川間 87.9km

※ 山川まではほぼ1時間に1本運行されているが、それより先は日に5往復程度と極端に本数が少なくなる(また日中に6時間ほど列車が走らない時間帯もある)ので計画には注意が必要。
● 基本データ

 指宿枕崎線(いぶすきまくらざきせん)は、鹿児島本線の鹿児島中央駅から枕崎まで至る地方交通線(ローカル線)である。薩摩半島の東岸と南端を走り、沖縄にモノレール路線が開業するまでは、日本で最も南を走る路線であったが、現在はJR路線の最南路線となっている。
 県都鹿児島より発する路線であることから、喜入駅までは鹿児島への通勤・通学路線、それより以南は温泉地指宿などを通るので観光路線となっている。
 JR及び旧国鉄では最も南を走る路線であるが、路線建設の歴史は比較的新しく、鹿児島と指宿を結ぶため、指宿線として西鹿児島(現;鹿児島中央)-五位野間が、昭和5(1930)年12月7日に開業した。その後、昭和9(1934)年5月20日に喜入まで、同年12月19日に指宿、昭和11(1936)年3月25日に山川まで延伸された。戦後、昭和35(1960)年3月22日に西頴娃(にしえい)、昭和38(1963)年10月31日に枕崎まで延伸され、全線が開業、路線名が指宿枕崎線に改称された。他の路線と同様に、昭和62(1987)年4月1日JR九州に移管された。
 こうして、鹿児島から枕崎まで結ばれた訳だが、枕崎までの鉄路は、南薩鉄道(のちに鹿児島交通枕崎線)の路線の方が古く、昭和6(1931)年3月10日に薩摩半島の中心部を通る伊集院-枕崎間が全通している。昭和38(1963)年に指宿枕崎線が開業した際、旧国鉄は同駅に乗り入れている形で開業。故に当時は国鉄の駅数にカウントされなかった。現在の常磐線綾瀬駅や紀勢本線和歌山市駅と同様に。昭和59(1984)年3月18日鹿児島交通枕崎線の廃止に伴い、枕崎駅は旧国鉄の駅となった。しかし、廃止後も駅舎や駅の敷地所有者は鹿児島交通であり、JRの職員は配置されず、鹿児島交通のバスターミナルとして使われていた。駅敷地が地元スーパーに売却され、平成18(2006)年5月1日、駅が100m程鹿児島寄りに移設された。移設した場所に駅舎は設置されず、またホームも1本のみとJR路線の最南端の終着駅であるが、なんとも寂しい状況になってる。
 平川から薩摩今和泉までの区間は海岸線を走るので景色は素晴らしく、その為観光に特化した列車、快速「なのはなDX」号が平成16(2004)年3月より運行されている。
[車窓の楽しみ方]
 路線の起点を示す0kmポストは鹿児島中央駅1番線の枕崎方向にある。指宿枕崎線を走る車輌は鹿児島中央-山川間はいろいろあり、なかでも快速なのはな号用の車輌が楽しい。いすは木がベースであるが座り心地がよいし、展望用スペースからは鹿児島湾の海を楽しむことができる。また、黄色い普通列車用の車輌も来たら楽しい。
 鹿児島中央を出発した列車は、進行(枕崎)方向左手に車輌基地を見ながら、鹿児島本線と分岐し進んでいく。
 しばらく鹿児島市街を走り、市電が近づいてくると南鹿児島。市電と並走するが谷山まで。しかし、JRと市電のそれぞれの谷山駅は約200mほど離れている。次の慈眼寺を出発すると、高度が上がり鹿児島市街を一望することができる。
 ここから郊外の町々を見ながら進み、五位野付近で少し谷の中を走って平川になる。平川を出てしばらすくると海沿いに出るようになり、時々離れるが薩摩今和泉まで鹿児島湾の海を臨むことが楽しい。途中、瀬々串を出発すると進行(枕崎)方向左手前方に石油の備蓄基地が見えてくる。石油タンク群は中名出た付近が最も近づく、その後一旦山の中に入り喜入に着く。
 喜び入ると書いて喜入、この指宿枕崎線と肥薩線日豊本線に縁起のよい名の駅が多いので、それをめぐる切符が発行されている。古くからの武家屋敷や特攻隊の街として知られる知覧は喜入から西に6kmほどの場所。喜入からバスが出ているがバス停は駅から徒歩100m程の所にある。
 喜入から数分後、再び海沿いを走るようになり、特に生見駅を出てからのが素晴らしい。天気がよいと対岸の大隈半島まで見られる。
 こうして、有名な観光地指宿に着く。ただ、温泉を楽しむには駅からバスか車で10分位行かないとならない。日帰りの場合には砂むし会館がよく、温泉と砂むしの両方が楽しめる。海岸の砂浜からもうもうと湯気が出ているから面白い。
 指宿から進行(枕崎)方向左手にが見えると、山川。となり指宿とうって変わって港町に雰囲気が変わる。鰹の水揚げが多いようだ。ここで、路線が変わるくらい運転区分が変わり、ここから先に行く場合には乗り換えなければならない。普通列車の一部にはヘッドマークが付き、これは指宿枕崎線の名物が凝縮されているようだ。
 山川を出発しトンネルを越えると、再び車窓の雰囲気が変わる。今度は台地の上に出て、広々とした畑の中を走るようになる。大山付近では尖がり帽子のような長崎鼻が見え、キャベツ畑の中の西大山に着く。ここは以前、日本の最南端の駅だったが、沖縄にモノレールが開業したため、"JR"日本最南端の駅となった。
 西大山から開聞岳が見えるが列車が西に進んでいくと、どんどん大きくなっていく。均整の取れた山容なので、とても面白い。ここから枕崎まで薩摩半島の南端を走っていくのだが、海が見られる場所は少ない。
 開聞岳を越えて、比較的大きな街は頴娃。そして、馬渡川を渡って御領に着く。御領のお隣の石垣はお茶の産地なんだそうだ。ここから車窓はワイルドになり、荒々しい原野と波を打ったような畑作地帯が広がりまるで北海道の十勝平野を走っているように思えるほどだった。その代表が頴娃大川付近の加治佐川<なのではないだろうか。また、断崖の隙間から海も望めて北海道とはまた違った車窓を楽しむことができた。こうして、枕崎市街が広がると終点日本最南端の終着駅枕崎に到着する。
 鰹節で有名だが、駅周辺ではそれを感じられる場所はなかった。しかし、到達証明書は、駅近くのお店で購入できるようだ。
 車窓は、進行(枕崎)方向左手が面白い。



● 乗りつぶし記録

  ・2003.03.14. 九州1周旅行で、西鹿児島(現;鹿児島中央)→山川間に乗車。
  ・2003.03.14. 同、西大山→指宿→西鹿児島(現;鹿児島中央)間に乗車。
  ・2007.04.01. 南九州攻略作戦で、鹿児島中央→枕崎間に乗車。完乗達成。
  ・2007.04.01. 同、枕崎→鹿児島中央間に乗車。往復完乗達成。



● 駅舎写真

鹿児島中央駅(2007.04.) 西鹿児駅(2003.03.)当時 郡元駅(2009.07.)
南鹿児島駅(2009.07.) 宇宿駅(2009.07.) 谷山駅(2009.07.)
中名駅(2007.04.) 喜入駅(2007.04.) 生見駅(2007.04.)未下車
薩摩今和泉駅(2007.04.)未下車 指宿駅 山川駅(2003.03.)
西大山駅(2003.03.) 西頴娃駅 枕崎駅(2007.04.)



● おすすめ撮影ポイント

 撮影ポイントは、JR線路線別撮影地指宿枕崎線にて紹介している。(このページに戻る際は、ツールバーの"戻る"を使って下さい)
 この他、開聞岳と列車が撮影できる大山-入野間、瀬々串-中名間の錦江湾に浮かぶ桜島と列車など。



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