エイザの奇妙な冒険

_ ７／３　復活のエイザ

「物事を始めるのは難しい。そして継続するのはもっと難しい。しかし最も難しいのは途中で投げ出してしまった物事に再度向かい合うことだ。」

というわけで、もう何度目かわかりませんが「エイザの奇妙な冒険」、再会させていただきます。

今回は『新兵器』を導入しましたので、すこしは続くかなぁとか考えていますが、いったいどうなるかは私にもわかりませんが、また私エイザの間抜けな日常におつき合いいただけたらと思います。

_ 私の相方、シラガさんはほとんどヲタ属性のない人である。

私の相方、シラガさんはほとんどヲタ属性のない人である。

マンガは読まない。アニメも見ない。ＴＶゲームもしない。

流行りのファンタジーにも疎そうだ。ハリポタを見ているうちに寝てしまったことがあるそうだ。

ちなみにアクション映画は苦手。サスペンスは嫌い。ホラーは大嫌いだそうだ。

しかし、そんなシラガさんにもちょっとファンタジー入っているところがある。ぬいぐるみとお話ができるのである。

シラガさんのお気に入りはクマのぬいぐるみ。家には私の知っている範囲内で５匹のクマがいる。

居間のイスに座っている３才児ほどあるクマ。

首に赤いバンダナを巻いたクマ。

サングラスをかけたちょっとスカしたクマ。

何かの限定品らしく、ケースのまま飾られた白いクマ。

中でも一番のお気に入りがはところどころ繕ったあとのある、かなり年期が入った小さなクマ。

「ねぇねぇ、クマたん。ちゃんと留守番してくれた？」

「クマたん、遊んでいるなら洗濯物たたんでおいてよ〜」

「クマたん、ちょっとそこどいて。ご飯にするから」

シラガさんはクマ好きなので、よく話しかけている。

しかし、どうも腑に落ちない点もある。シラガさんはどのクマに話しかけるときも呼びかけが同じなのだ。どのクマも『クマたん』であり、他に名前を付けている様子がない。普通は自分のお気に入りにはそれぞれの「名前」をつけるものではないだろうか。少なくとも私はそうだ。私は小学生の頃、ブロックで作ったロボットのにも、自転車にも、果ては電気スタンドにも名前を付けていたのに。

そこで、気になったので、聞いてみた。

まず、大クマを指さしてたずねる。

「この子の名前はなんていうの？」

間髪入れずシラガさんが答える。

「クマたん♪」

つぎにサングラスのクマを指さしてみる。答えは同じ「クマたん」。

続けてバンダナ巻いたクマを指さしてみる。またもや答えは同じ「クマたん？」。

最後にシラガさんが抱いた小クマを指さしてみる。やはり、名前は「クマたん！」だそうだ。

・・・法則がわからない。わからないので続けて聞いてみる。

「それぞれを区別する名前はないの？」

「ないよ」

・・・ますますわからない。わからないので再度聞いてみる。

「それで、困らないの？」

「困るの？」

不思議そうな表情でこちらを見返すシラガさん。

・・・ほんとうにわからない。わからないのでＳＦ的解釈をしてみたりする。

「ひょっとして『クマたん』は『ゲシュタルト』なのか？」

「なに、それ？」

「いや、だから複数の『クマたん』でひとつの意識を共有していて、５匹の『クマたん』は実は同一人物で・・・」

・・・まったくわからない。私は何故こんなわけわかめなことをくちばしっているのだろうか？自分でもわからないのだからシラガさんはもっとわからなかったであろう。返ってきたのは「冷たい沈黙」だけだったが・・・。

「よぉ、エイザァ！」

そんなこんなで途方に暮れていると、シラガさんの腕の中のクマたんが手を降る。

「難しいこと、考え過ぎなんだよぉ。」

不敵に笑いながらクマたんは続けた。

「誰になんと呼ばれようと、オレっちはオレっちさ！」

どうやら本人は気にしてないようなので、私も悩むのをやめた。世の中には解けない謎があってもいい。

_ ７／５　会議会議の一日

今日は朝からプロジェクトの進捗会議。その後、午前中いっぱい内勤。

お昼休みを立ち食いそばで済ましたあと、川崎まで移動し、センター設備管理会議。

会議後、業者から見積書の説明をうけ、久しぶりにあった取引先のエース部長、マット部長とタバコ吸いながら情報交換。引継に名を借りた飲み会の約束をする。

両部長と別れたあと、ジョージ所長と打ち合わせ。

打ち合わせ後、Ｏ女史の事務所に行き、未提出書類の進捗確認＆催促。そこで昔かわいがってもらった（笑）元上司、カラミテ部長に捕まる。

解放されたあとは、事務所に戻り、労働組合の会議に出席。

終了後、メールをチェックし、いくつか依頼を片づけてから帰宅。

というわけで、今日は疲れたのでヤマも、オチもなく終わるのである。

_ 心療内科でのヒトコマ

昔、「うつ」と「不眠症」が酷かったこともあり、定期的に心療内科に通っているのだが、ドクターから「そろそろ卒業だね」とのお言葉をいただいた。

それはそれで喜ばしいのだが、とっさに頭に浮かんだのは「会社をサボる理由がなくなるなぁ」ということだった。

・・・有休余ってるんだから、普通に、計画的に休もうぜ、オレ。

_ で、出社してみれば・・・

その後、新横で昼飯たべて出社したら、グループ８人中、２人休み。

私以外に１人午前半休。ついでに部長はフレックスだった。

_ ７／７ちょっと散財

叔父から「MIRARI&FOSSIL 展示会」の招待券をもらったので朝から一人で中目黒まで出かける。ちなみにシラガさんも行きたがったのだが、高校時代の友人の結婚式でスピーチしなければならないため、今回はパス。

最初は完全な「お付き合い」のつもりで、FOSSILの腕時計でも購入するつもりでいたのだが、会場を一回りして方針変更。なぜなら、MIRARIのブースにてサングラスやらメガネフレームが大変お買い得だったから。なにしろレイバンのサングラスが５，０００円切っているのである。これを逃す手はない。

色々試したあと、レイバンのメタルフレーム（ブロンズ）を購入。近いうちにレンズをいれて日常用のメガネにする予定である。

ちなみに今年以降「クラーク・ケント」系の、大きめのセルフレームが流行るとのこと。先日来日したジョニー・デップもそんなメガネをかけていたらしい。個人的には、「大江　千里」系のメガネは暑いので、苦手なのだが・・・。とはいえ、流行は繰り返すものらしい。

しかし周りをみると、ファッション系の若者とちょいワル親父ばかり。普段ファッションが気にならない私にとっては、些か居心地が悪かった。

_ 今日のおやつ

夕方、シラガさんが友人の結婚式から帰ってくる。

おみやげは「もちクリーム」。小振りの大福の中にあんとクリームが入っていて、冷やして食べるとかなりおいしい。品川のＷＩＮＤＳや蒲田駅にも出店しているらしいので、買いに行こう。

_ 転ばぬ先の杖。

今夜はクマ町役場メンバーの飲み会。シラガさんはひとりでお留守番。まぁ、クマたん達もいるので大丈夫とは思うのだが、私１人で遊びに行くのも悪い。というわけで、一緒に蒲田に遊びに行くことにする。共同生活で大切なのは「気配り」なのである。

東急プラザ脇の駐輪場に自転車を止め、まず駅ビル（東急プラザ・サンカマタ・パレオ）内をブラブラする。

その後アーケード街を散策。そこでシラガさんが突然立ち止まる。

「あ〜、金物屋さんだ！」

シラガさんは調理器具が大好きである。金物屋さんで鍋だのザルだの落しブタなどを物色する。

「・・・ねぇ、アレ置いてないかなぁ」

「・・・アレかぁ。お店の人に聞いてみるよ」

目を輝かせながら聞いてくるシラガさん。シラガさんが探している「アレ」とはよくステーキ屋で使っている小振りの「鉄板」のこと。シラガさんが常々欲しがっているのがこの鉄板と石焼ビビンバ用の「鉢」なのだ。

お店の人に聞くと鉄板２個セットがすんなり登場。しばらくいじくっていたが、鉄板の下に敷く木の板の色がちょっと気に入らないということで、今回はパスすることになった。

その後、駅前の喫茶店でコーヒーとケーキをごちそうし、ささやかな散歩はこれで終了。ゴキゲンなシラガさんと自転車に乗ってお家に帰るのであった。

もう一度確認しておこう。やはり共同生活で大切なのは「気配り」なのである。

_ １８３０時白楽駅１階改札口前

時間ギリギリに白楽駅に到着。だが、誰もいない。おかしいと思って予定表を確認すると、待ち合わせは１９３０時だった・・・。

しかたないので、駅前のドトールでコーヒーを飲みながら、ブログの更新をする。

_ １９３０時白楽駅１階改札口前

今度はすんなり合流。参加者は主催のともりん氏、あいあん氏、けんけん氏、本屋氏、クマ三郎氏、私の６名。商店街の居酒屋になだれ込み、飲み会開始。

今回の趣旨は「夏の新番組」と「夏祭りの打合せ」だったはずだが、３０秒で終了。いつもの飲み会・いつものテーマで盛り上がるのであった。

_ クマ三郎君ったら・・・

本屋さんに頼んでいた笹本祐一著「宇宙へのパスポート２・３」がクマ三郎氏から渡される。実は昨年末に本屋さんに頼んだ記憶があるのだが・・・なぜ、今頃？

それを見た本屋さんが一言。

「ウチはすぐ対応してクマ三郎氏に渡していたんですが・・・」

・・・ク〜マ〜サ〜ブ〜ロ〜ウ〜。

クマ三郎氏曰く代金は要らないとのこと。ま、いいか。

_ 帰宅すると・・・

飲み会終了後、駅に着くと浅草線トラブルの影響で京急にもダイヤの乱れがあるとのこと。色々あって帰宅したのは２３４５時位。シャワーを浴び、お茶を飲んでいると、シラガさんがクマたん（小）と話しているのが聞こえてくる。

「今日のエイザくん、あんまり酔ってないねぇ」

「あぁ、残念だぜ。今日も『酔っ払い』が見られると思っていたのに・・・。」

・・・なんだ、そりゃ。クマたん、それはどういう意味なんだ？

「だって『酔っ払い』のエイザって面白いんだぜ。何もないところで転んだり、カーペット踏んづけて滑ったり、壁に頭を叩きつけてみたり・・・。」

・・・私が悪うございました。今後は飲みすぎない様気をつけます。

_ タバコ部屋でのヒトコマ

「今日、月曜日よねぇ」

夕方、タバコ部屋でタバコをふかしていると２人のおばさんの会話が耳に飛び込んでくる。

「いいえ、違うわ。今日は金曜日よ」

もう一人のおばさんが答える。ケムリを吐き出した後、こともなげに続ける。

「でも、明日は木曜日よ」

・・・なんだ、そりゃ？

「あ、そうかぁ」

「そうよ、明後日は水曜日だし、その次の日は木曜日」

・・・めちゃくちゃ、欺瞞だ。

「木曜日の次のひは、当然金曜日よね。」

「そうよね。金曜日の晩は忙しいのよ」

「斧持って、暴れなきゃいけないものね」

・・・今日は月曜日。世界中で一番現実逃避する人の多い日であることは間違いない。

_ 心配されて？

仕事中、ふとしたことから持病の話になる。痛風。糖尿。高血圧。おじさん達はみんなシャレにならない持病を持っていたりする。

「エイザさんは、なんか持病ってあるんですか？」

なんか、場の雰囲気が暗くなり、慌てたチュンリさんが急に蚊帳の外の私に話をふってきた。

ここで「鬱病」とか不眠症とかいうと、ますます場が暗くなる。とはいえ、「シュークリーム分の欠乏による集中力の低下」とか言っても通じない可能性が高い。

少し考えてから答える。

「突発性有休行使検討症、かな」

「なんですか、それ？」

残念ながら、通じなかったらしい。仕方ないので説明したりする。

「突発的に会社をサボりたくなる病気です。特に月曜日に多く発生します。」

チュンリさんは納得したのか、ケラケラ笑った後こう反論してきた。

「そんなのみんな持ってますよ。病気のうちに入らないんじゃ？」

「なにを言う。放置しておくと会社行きたくない病に発展するんだぞ」

それを聞いていたケン部長がつぶやいた。

「それ、オレかかってるわ」

それを聞いたワン女史がひとこと。

「慢性飲み会中毒だけじゃなかったんですね」

・・・つくづく人間関係のいい職場である。

_ 女性は見ている

夕食時。ニュースを見ていたシラガさん。アナウンサーのネクタイについてひとこと。

「この人のネクタイ、へん。センス悪〜」

結構手厳しい。こちらはアナウンサーのネクタイなんぞに興味はないから、どんなネクタイだったのかもわからない。

「ゴメン。見てなかったよ」

「そうなの？でもヒドいセンスだったよ」

そのアナウンサーのネクタイの気になったが、もっと気になることがあったので尋ねてみることにする。

「よく、見てるよねぇ。やっぱり男性の服装って気になる？」

「やっぱり気になるよぉ。ビジネスカジュアルでもヘタったポロシャツとか見るとかっこわるいし。」

・・・さいですか。では濃色ばかりの私の私服はどう思われているんか、心配である。

「そういえば今日、隣の課のタイゾーくんのポロシャツもかなりヘタってて、女性社員のネタになってた。」

・・・自分も決してセンスのいい方ではないから、口ではあいづちをうちながらも、心の中では冷や汗状態。独身の時はよくヘタったワイシャツや穴のあいたスラックスで出かけたこともあったし、実は人のこと笑えない。

_ 女性は忘れない

「でね、タイゾー君はね、子供がいるのにヒドいのよ。」

シラガさんが続ける。

「この前、ポロシャツ、裏返しで会社にきたこともあるし。」

・・・あり得ない。それはあり得ない。

「しかもね、家に帰って奥さんにそのこと言ったら、『だからそう言ったのに！』って怒られたんだって。」

・・・あり得ない。本格的にあり得ない。思わず声をあげて笑ってしまった。

だが、我と我が身を振り返れば、左右で違う靴を履いて会社に行き、先輩に指摘されて寮に帰ったことのある私には、彼を笑う資格などないのであった。