《書評》★★★☆☆
筆者の西多昌規氏は病院の勤務医。学術書めいた話というより、実際の病んでいる人たちを診た結果、くだいた対処方法をしたためた、という本。
前半は部下の病み方のタイプ分析。14タイプについて解説しているが しかし・・・そのうちコミュ障、自己中、あがりやすい、特定職場人間NG、孤立無援、被害妄想、パニックの7タイプに当てはまる俺は死んだほうがいいw
後半は部下を病ませない10のヒント、と称して具体的な対処方法について
書いてある。そのうち4条にある「結果ではなく、努力を誉めて間違いを学ぶ」が心に残った。ミシガン州立大学の実験で、「あっしまった!失敗した!」というときに、エラー陽性電位という脳波を測定したところ、能力の向上があるグループは、前記の信号が強くでる人たちなんだそうな。
いわゆる失敗から学ぶ学習能力の素、のようなものだ。
人間の成長には、プライドを傷付けられる不愉快な経験がどうしても必要であると。逆に、素の頭の良さや、たまったまうまくいった業績をほめるのは自己成長を促すことにはならないと。頑固で誤りを認めない人間に育ててしまうと。
余談だが、最近見てるアニメの一つに、暗殺教室というジャンプ原作のアニメがあるんだが、ちょーど今の放映が、素のエリートであるカルマ君がテストで負けて成長する・・・という内容で、スッと理解できる話であった。
別に上司ではなく自分が病まないためにも良い本だと思うので★3で。