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kuma Diary

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2011-08-02(Tue)

_ あいあん氏の日記から

 ツッコミ欄に書き込もうかと思ったけれど長くなりそうなのでスレ建て(違)

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               ,l;ィ'----┴――--、、;:丶、!
            ,ノ7 '"^   ^`'   ,ィ'三ミ、_〉   貼られるべき画像がスレに無い
───‐─┬┐  {:/, ニ丶  ,r,=-、 ヾ:::::::ミヾ
  ___,,,...-‐''"| |  〃ィ'。`>ソ { ィ'。`'ァ::..  !::::::ミ:l    ただそれだけのことが麻呂にとって
 ̄7     | |   l:! `~´/ ,l、  ̄´   ,. }:::::三<
  i      | |.   ll   (、 っ)     : ,l::::シ久'l   恐怖であり、同時に存在の証明でもあった
 .|   .|   | |    l   ,.,__、     ,:' f::/ン ノ/
 |   |   | |   l 、 f{二ミァ ,)    {,ツ>-‐'′
 |   |   | |   ヽヽ`ー ' : ヽ   ,_ソ/
     :   | |    丶、__, -―''"/,/
     :   | |     ,} ヽニニ  =彡シ,ンヽ,
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 イヤ、画像はない(笑)
 さて、ではこの米のとぎ汁乳酸菌とやらについて考えてみよう。製造法は
(1)米のとぎ汁を塩と共にペットボトルに詰める。
(2)途中黒糖を加え1週間ほど置いておく
(3)酸っぱいにおいができたら成功。腐敗臭がしたら失敗。
 と至ってシンプル。そしてこの効能は
(a)肺に吸い込むと痰が出て放射性物質を体内から排出してくれる。
(b)同時に増殖される光合成細菌が放射線を吸収してくれる。
 というのだが…。
 まず乳酸菌の製造法から見ていこう。私の結論から先に言うと、これが乳酸菌の製法として適切なものであるかどうかと言えば「今あるデータからは判定できない」。
 いやこれが簡単に乳酸菌を育てる画期的な製法である可能性が全くないとは言い切れない。しかし、以下の理由からその可能性は低いと考えられる。
 まず(1)であるが、通常特定の菌を増殖するのであれば、最も気を使うのは他の菌が入り込むのを防ぐ事である。一方米のとぎ汁には乳酸菌以外にも雑多な菌が存在することが十分に考えられる。またペットボトルも滅菌の措置は特に指示されていない。これからスタート時には乳酸菌以外の菌も多数存在しているのはまず間違いない。
 続いて(2)、ここでうまいこと乳酸菌が優勢な状況になれば乳酸により酸性度が上がり多種の菌が劣性もしくは死滅する可能性はある。ただし、それまでの間には例えば黄色ブドウ球菌が毒素作っていたりする可能性は高い。
 そして(3)、ここで推奨者自ら失敗の可能性を示している。注意しなければならないのは、この製法の結果は「成功」と「失敗」の2択、ではなく「成功しているように見えて実は雑菌が繁殖している」といった可能性もある事だ。
 例えば、この時期良くあるが冷蔵庫の中身を腐らせてしまったときの酸っぱいにおいや味を誰もが経験した事があると思う。それとこの乳酸菌の完成品と、どう区別をつけるか。
 既に推奨者も(b)で同時に光合成細菌も培養されるとしている事から、乳酸菌単独の培養ではないとしている。であれば他の雑菌も同時に繁殖していても何ら不思議はない(識者の多くはカビが繁殖している可能性を危惧している)。
 以上からいくと、この製法で作られたものについては「量の多少はあるにせよ、雑菌が含まれている可能性は大いにある」
 これらの事についてはっきりさせるのであれば「米ぬか乳酸菌として培養したものの菌種を定量的に測定すればよい」。当たり前の話ではあるのだが、この培養法を推奨するのであれば、少なくとも人体に有害な細菌が繁殖していない事を確認し有害な手法ではない事は示さねばならないのではないか。
 続いて効能について考えてみる。まず(a)であるが、この前半部分、「痰が出る」。雑菌が喉に入れば痰が出るのは当たり前だ。問題は後半部分だ。ここで乳酸菌に金属を取り込む作用が実際にあるのだろうか、ちょっとぐぐってみたが、残念ながらそのような作用について述べられた実験結果等は見つけられなかった(イヤ私の検索がまずかったかも知れない可能性もあるが)。
 付け加えるならば、本来肺というものは無菌状態になるように作られている。そこへ菌を入れるというのはそれだけでリスクがあるといえる。ましてや雑菌が混じっていれば肺炎の原因となりうる。
 続いて(b)、ここはご本家にある文を引用しておこう。
セシウムやヨウ素等の放射性物質を,『光合成細菌』が食べてしまう!
なぜ食べるのか?
放射性物質が放出する“放射線というエネルギー”を利用するために食べる.
人間が死んでしまうような強い放射能でも,微生物は大丈夫なのか?
大丈夫! むしろ微生物は,放射能を喜んで集める.
 疑問に思われる点を羅列していこう。
 光合成細菌は放射線をエネルギーとして利用できるか。光合成細菌は通常電磁波のうち可視光(のうちの一部)を利用する。一方セシウム(137Cs)はβ崩壊でβ線、続いて(137Bamとして)γ崩壊でγ線を放出する。β線は電子であって、電磁波ではない。これを光合成のシステムでエネルギーに変えるのは…ちと無理ちゃうか。続いてγ線だが、可視光線とγ線は電磁波であるが波長が違う。一般的には光合成には利用できないと考えるのが妥当だろう(というかX線なんだからレントゲン写真同様、細胞にダメージ残しつつ透過してしまうだろう。分厚い鉛でないと受けてめられないのだし)。
 光合成細菌は金属を取り込む事が出来るか。亜鉛とかを取り込む事象は確認されているようだ。セシウムそのものを吸着する研究もあるが、細菌の影響かその培地の影響かはっきりしなかった。そもそもその金属元素が放射性であるかそうでないかは化学的には区別できない(中性子の数の差分の質量の違いしかない)、放射性崩壊を起こしてはじめてわかるのであるので、放射線を利用する為に食べる、という事は(その金属元素が放射性崩壊を起こすかわからないのであるから)そもそも無理があるのではないか。
 結論として、上記(b)についてはこの仮説を証明する、科学的に信頼の置けるデータが提示されない限りには、聞き流すのが良ということだろう。
 で、何でかようなトンデモ科学に信者がついてしまったのか、についての考察はまた後日。
 本日の結論としては「もやしもんぐらい読んでおこう」
Tags: 科学
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_ あいあん (2011-08-10(Wed) 22:08)

>もやしもんぐらい読んでおこう
1巻を斜め読みしたらまあ、乳酸菌が他の菌を抑える程度は分かるが・・・放射能除去までは書いてなかった気が。あたりまえだけど。

_ 管理人 (2011-08-10(Wed) 23:08)

「もやしもん読んでりゃ単純に菌育てられないのわかるやろ」という意味で。