この作品は、ご存じアレクサンドル・デュマ・フィスの同名小説をオペラ化したものです。火遊びの世界で刹那的に生きていたヴィオレッタが、真実の愛に目覚めるも数奇な運命により恋人と引き裂かれ哀れに死んでいくという定番といえば定番の悲恋物語ですね。この間どこかで「純愛に飽きた」と言ったばかりな気もしますが、ヴェルディの素晴らしい楽曲がついていれば話は別。たまにはこういう悲劇にひたるのもよかろうと思い、行ってきましたオペラシティ。
マリエッラ・デヴィーア(ソプラノ)
ジュゼッペ・フィリアノーティ(テノール)
レナート・ブルゾン(バリトン)
指揮:ブルーノ・カンパネッラ
東京フィルハーモニー交響楽団
このソプラノは、聴いてて安心感があるなー。微細な強弱表現ができるし、そのおかげで芯が通った柔らかさも表現できるし、高音のppもかなり引っ張れるし。話は定番だーと油断してたのですが、やっぱり名アリアの数々は物語の悲劇性と相まって涙を誘いました。が、どうも気になってしょうがない客が前の列に…。一人で観に来てる男性で、クラシックファン、というよりマニアックな雰囲気が。ずっとブラボーブラボー叫んでるし、なんか、思いっきり泣いてるし(T_T)アツイなあ…。思いっきり涙をぬぐってるのを見たら、一気に現実に引き戻されてしまいましたとさ。
それにしても…客層が50〜60代夫婦、ばかりなんですよ。なぜ若者がいないのだ…私みたいに、一人でフラフラ聴きに来る20女がいたっておかしくないと思います、たぶん。単に料金設定の問題で、聴きに来るのが億劫になっているだけなのやら…???
「生」で演奏を聴くのは大切なことですね。
一方その頃我々は以下略(笑)
どっちの方が楽しかったのかは誰も知らない…のです。