ボクのLPC810工作ノートを読んだ件

書評: ボクのLPC810工作ノート (鈴木哲哉)

単純に「すごい本」だなーと思いました。もしかしたらこの筆者さんの特性なのかもしれませんが、「LPC810で遊ぼう」といった浮ついた導入本では、実はない。じゃあ何について書いてある本かというと、私は「技術者としての心構え」なのではないかなーと。どんな開発環境であっても、どんなマイコンであっても、技術者としての妥当性、合理性、適材適所を見抜く力というものが常に試されているということを伝えようとする意思を感じます。

LPC810はARMアーキテクチャながら、正直EEPROMはないADCはないメモリ少ないという駄々っ子なわけですが(8bitのPICなどの方が素直に感じるくらい)、それに無理をさせない、810でやろうとすると大げさだな…という感触を持ったらそれ以上進んではいけないよ、ということを伝えるための本なんだと。

うまく書けないな。私もはるか昔に拙いLinux本を出した経験があるのですが、
例えばUNIX(Linux)の良さを伝えようとしたとき、コマンドやソースコードを単純にコピペ(最初はそれでもいいかもしれないが)だけでは味わえないことがあるわけです。cat, ls, df, grep, head, tail, sort…小さい、とても単機能のソフトを、パイプや中間ファイルで渡しながら自由にかつ最短に必要な解を得ることができる、ということを知っている/知らないでは、めちゃくちゃその後の勉強に差が出てしまうわけで。私が本を書いたときは、コマンドは完全に覚えなくても調べ方がわかればいいんだよ、前提として何を知っておけばよいか、というスタンスで書いていました。

は?! すみません脱線しました。が、この本はLPC810の専門書としては唯一無二のものだと思うんで、技術者はサーバサイドの技術者だろうが読んでみるといいかもです。
ボクのLPC810工作ノート

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