あぁ栄冠は君に輝かない

 仕事中、突然携帯が鳴り出した。かけて来たのは父親。
「エッ、まさか家で何かあったのか?!」
 おそるおそる電話に出てみると…。
「お前の高校テレビに出てるぞ」

 と、言う訳で今年も高校野球の季節真っ盛りとなってきました。
 「高校野球における勝敗は7割方ピッチャーで決まる」が私の持論。
 然るに一方我が母校、今年は初戦から投手が打ち込まれる展開、こら駄目かと思ったら打線奮起で逆転勝ち。しかし初戦からこんな点取られちゃ「こりゃ3回戦止まりかな」と思っていたら、くじ運が良かったようであれよあれよと20年振りにベスト16へ。
 そしてこの日、ベスト8をかけての対戦だったのだが…。

 職場で仕事をしてはちょろっとテレビをつけて観戦、最初つけたら3-7、ありゃりゃ、しかし、今年は打線がいい、まだわからないぞ!!
 次に付けたら2点差、そして遂に同点!!こうなりゃ今年のウチのペースじゃないの!?
 そして延長10回に逆転3ラン!!!いやもぅこりゃ仕事どころじゃないですな、ゲーム終わったら周囲の目なんか気にしないで一緒に校歌斉唱しなくては!

 …マ、最後の最後で4点取られてサヨナラ負けなんて、いかにもウチの高校らしいですな、わっはっは!!…ハァ。

 では本日の物欲
 人類の月麺着陸はあったんだ論/と学会/楽工社
 時に1969年7月20日、アポロ11号のアームストロング船長はその第一歩を月面に記した。これは人類史上は勿論、地球に生まれた生命が初めてその引力を振り切り別の天体に到達した、生命史上にとっても大きな一歩であった。…のだが。

 ここ数年、「アポロは月に行っていなかった」という趣旨の本が出版されテレビ番組が放映されることが多くなりました。この作者や製作者は、何故そのような考えに至ったのだろうか。
 お馴染みと学会が、この月へ行っていなかった論に対して徹底的に反証するのが今回の本です。
 さてこの「行っていなかった」論、ネタ的には面白いと思いますし、「良くぞこんな事に気付いた、思いついた」と思わず感心してしまいます。しかし、そこからすぐ「だから月へ行っていない」という結論を出すのは正しかったのか。
 一例として、「真空である月面に立てられたアメリカ国旗がはためくのはおかしい」というのがあります。ここで行っていない論者は短絡的に「はためくのは空気のあるは地球のどこかで撮影したからだ」となる訳です。しかし科学的立場であればそうではなく「何故はためいているのか」その理由を調査するなり思考するなりするのが正しい態度というものでは。そしてあらゆる可能性を検討してその結果、「これは月面ではないとしか考えられない」となって、初めて「行っていなかった論」は成立するのでは。
(この場合の理由は「ワイヤーが入っていた」という単純なものなのですが)。
 我々も行っていなかった論に限らず、下手なトンデモ論には引っかからないように常に科学的思考で当たっていきましょう。