JAXAに行って来た

 「はやぶさ」帰還やイカロスなどで湧く日本の宇宙研究ですが、その総本山JAXAの特別公開へと行ってきました。
 残念ながらるぅ嬢は疲れがたまったようで欠席、で、私一人で出撃。
 会場はJAXA相模原キャンパスと隣接する市立博物館。で、会場前に着いたのですが…目玉のはやぶさカプセル展示には推定3時間待ちかと思われる列が…。
 さ、ここは潔く諦めましょう(笑)
 本日の私的一番目標はそのはやぶさのプロジェクトリーダー、川口氏による講演。カプセルはこれから全国巡業に出るようだし(笑)むしろこういった方の話が直接聞ける機会の方が貴重かと。
 しかしこちらも会場は早満員、隣接したスペースで会場内の様子をモニターで見て話を聞く事に。
 まずはやぶさ帰還の意義について、そぅ、何十億キロも彼方から帰って来た人工物はこれだけなのです。
 続いてはやぶさプロジェクトの目的。第一はサンプルリターン技術の立証。これについては後から詳しい話がありましたが、探査機に分析機器を積むとなると計画段階に既にある機器しか載せられず、打ち上げ段階でも既に古い機械になっていまう。ならばサンプルを持ち帰り、帰還した時点での最新鋭の機械を使用した方がよい、との考え方によるものであります。しかしそのためにはまず往復する事が出来ることを立証しなければなりません。それが一番の目的。
 以下の5つの技術の立証もそれぞれ一つづつがかなり興味深いものがあります。ご存じイオンエンジンによる惑星間航行もありますが、特に光学情報を用いた(つまり探査機自身の目による)自律的な航行と誘導についての説明には興味を持たされました。
 いずれこういった探査機は、ラグランジュポイントに設置された深宇宙港で整備された後、また新たな探査へ向かわせる、という未来像が。まんまガンダムか何かですが決して夢物語ではないと。
 ちなみにはやぶさもカプセル投下後、ラグランジュポイントへ向かわせてこの深宇宙港のためのデータを取る案もあったそうだが、相次ぐ故障でそれどころではなくなったそうで。
 この後はいろいろと苦難が続く訳ですが。
 はやぶさからの電波を待っている間はやる事がない、すると企業から来ている人たちは引き揚げて行ったり周囲からもう終わってしまったと思われないようにしたりと大変だったようで。
 やるべき事を全てやってしまった後は神頼みしかない。電波の神様(いるのか?!)電電宮やら…
 中和器について討議をした後、最後に「祈願できる神社はないか?」とネット検索したらヒットしたという中和神社へ参拝したりと。
 しかしこの神社、化学屋としても参拝せねばなるまいか。
 最後の最後、イオンエンジンが停止してしまった後の「こんなこともあろうかと」準備されていた、生きている中和器とイオン源を組み合わせたクロス運転。しかしリスクが大きくテストもされないままのぶっつけ本番、他のスタッフが不安な心中の中、電源担当者だけは喜んでいたそうで。
 はやぶさが最後に撮影した地球の写真、左が撮影時の生の写真、右はそれをデータ処理した写真。絵としては当然右の方が良いのですが、世間の人気は断然左の写真だそうで。
 還って来たはやぶさ。ちなみにプロジェクトマネージャーの川口氏、現地への出発の準備を終わらせていたのに、あっさりカプセルが発見されてしまったので「おまえは来なくていいよ」と言われてしまったそうだ。
 という訳で、現場責任者ならではのいろいろ貴重なお話を聞く事が出来ました。
 他にも「当初計画では目的地はイトカワではなかった。しかしNASAより先に小惑星に着く必要がありイトカワを目的地とする計画に変更した」「イトカワという名前ははやぶさ出発時にはまだ付いてなかった(そうだったのか)」などという話も。満足満足。
 ア、ともりん先生、一部撮りきれなかったけど講義のスライドいる?

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