サブロー選手トレード

 「マリーンズに激震」と表現する人もいれば「来るべきものが来た」と達観する人もいる今回のトレード。
 表面に出てきている情報からだけならば、それまでレギュラーだった選手が怪我をしたときに、若手が活躍してその座を奪うというのは今までに幾度となくあった話。岡田、伊志嶺の台頭を考えれば、一軍復帰しても出場機会が激減するのは明らか。なればトレードで新天地へ…ここまではいい、ここまでなら悪くない話である。
 が、ここからが問題点。相手が同じく外野手の余っているジーヤンツ、さらに交換相手も外野手となれば、マリーンズにとってメリットは殆どない。さらにフロントが「トレード話はこちらから持ちかけた」などと言ってしまっては、だったら戦力的に足りていない投手か内野手を取らないでどうするんだ。
 結果、「フロントがやっかい払いがしたかっただけじゃないのか」という結論になる。
 前から何度か書いているが、フロントの一番の役目は「選手がプレーに集中できる環境を整えること」だと思う。しかしながら長年の功労者に対してすらこのような仕打ちをするのであれば、選手は「明日は我が身」と考えてしまうのも仕方がないしそれがプレーに影響を及ぼす可能性だって十分にある。
 一方で今回の件はファンに対しても大きな衝撃を与えている。その要因はトレードそのものもあるがむしろ「お別れも言えないようなタイミング(チーム遠征中)」であり、フロントの今回の件に関する発言なのである。ファンあってのプロ野球のはずがファンに無用な怒りや落胆をもたらすとはどういうことか。せめて「サブロー選手を出すことはチームとしても断腸の思いだ、しかし彼の今後のためと思って行った、この先の活躍を期待する」ぐらいの事いってくれればまだ反応は違っただろうに、人気商売をやっている自覚があるのだろうか。
 ともかく、マリーンズのフロントの目指す方向性にファンの間には疑念がある。特にトレードについては戦力ダウンとしかとれないものが続いている(今シーズン何度「久保がいてくれたら」と思ったことか!)。フロントは今何を考えているのか、どうしたいのかをファンに対して説明する責任があるのではないか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。