越後線

最終更新日2008.09.21.


● 基本データ

 越後線は、柏崎駅と新潟駅とを83.8km結ぶ、JR東日本の地方交通線(ローカル線)である。信越本線の柏崎-新潟間100.0kmなので、16kmほど短くなっている。
 東京から長野を経由して新潟に至る。信越本線が柏崎から内陸部に入り、長岡・三条を経由することとなったため、柏崎から日本海沿岸を経由して新潟に至る鉄道が計画されたのが越後線のはじまりである。越後線の前身、越後鉄道が大正元(1912)年8月25日、白山(新潟の隣駅)-吉田を開業させた。同年11月11日、西側から柏崎-石地間が開業、翌大正2(1913)年柏崎-白山間がつながった。
 白山駅は信濃川をはさんで新潟駅の対岸(西側)にあり、信濃川に橋を架けることは、越後鉄道にとって悲願であったが、経営難の状態に苦しみ、政治工作によって度々国有化を要求したが、そちらも容易には実現しなかった。
 しかし、昭和2(1927)年1月、越後鉄道の買収案が突如浮上、同じくして白山-新発田間の新線案(のちの白新線)も発表された。越後鉄道の他、水戸鉄道(のち水郡線)・陸奥鉄道(のち五能線)・苫小牧軽便鉄道・日高拓殖鉄道(のち日高本線)の5社が、まとめて買収・国有化されることになり、国会は紛糾するも議決を経て5社の国有化が決定、越後鉄道は同年10月1日に国有化された。だが、当初から政治的思惑が指摘され、特に越後鉄道については強い政治介入があったとされ、のち昭和4(1929)年に「五私鉄疑獄」(「越後鉄道疑獄」とも言う)として表面化、元鉄道大臣が逮捕・起訴され、当時の浜口内閣の小橋一太文相が辞任する事態となった。
 戦前、信越本線の貨物支線として開業(昭和18(1943)年11月1日)していた新潟-関屋を、昭和26(1951)年越後線に統合することで、柏崎-新潟間という現在の形となった。その際、気動車化がされている。また、昭和59(1984)年4月に全線で電化がされた。ちなみに現役のJR路線で旧国名を名前に持つものは越後線以外には相模線日高本線根室本線しかない。
 基本的に、新潟-吉田、吉田-柏崎間の運行だが、弥彦線や新潟から信越本線・白新線へ運行される列車もある。現在は、普通列車のみだが過去には、急行「ひめかわ」(昭和57(1982)年廃止)や快速「やひこ」(平成5(1993)年12月廃止)などが運行されていた。
 また、平成16(2004)年10月の新潟県中越地震の際に、上越新幹線上越線、信越本線などが運行不能に陥ったため、越後線経由の臨時快速列車が長野-新潟間で運行された。




柏崎-新潟間 83.8km

※ 直通の列車は少なく、吉田駅での乗換えとなることが多い。
また、日中は吉田以西の本数が少なくなるので注意が必要。


[車窓の楽しみ方]
 越後線は電化されており、電車での旅となる。柏崎を出発すると信越本線と分岐し、しばらく柏崎市街を走るようになる。市北東を流れる鯖石川を渡ると、山の中を登っていくようになる。やがて水田が広がるが、その上に高圧電線がいくつも通過していき刈羽になる。高圧電線が多いのは、刈羽に原子力発電所があるからであろう。刈羽の2つ先は礼拝。何だか、ありがたく拝みたくなるような気分になる。ここから、水田を駆け登るようになり、途中いくつも崖を見ることができる。そのうち幾つかが、平成19(2007)年に発生した新潟県中越沖地震によって崖崩れを起こしているのが痛々しい。この先、左右に小高い里山に挟まれた水田地帯をのんびり進んでいく。この区間は電柱が鉄製であったが、これも新潟県中越沖地震の影響かもしれない。そして、途中にある出雲崎は有名な良寛さんの出身地である。越後平野の水害を防ぐ為、信濃川に分水が設けられた、いわゆる大河津分水を渡ると、その名もズバリ分水になる。徐々に住宅が増えていき、弥彦方面からの弥彦線と合流し、吉田に着く。駅には地元の高校生が作った吉田マップがあり、駅周辺の散策の参考に・・・なるかもしれない。
 吉田を出発すると東三条方面にむかう弥彦線と分岐し、次第に住宅が少なくなり、越後平野の只中を進むようになる。あまりの広さに"米どころ新潟"を感じざるを得ない。が、風景は単調でまさにローカル線の風情である。そして、進行(新潟)方向左手には弥彦山が見える。新川を渡ると内野。ここから住宅街が急速に増えはじめ、ローカル線から通勤・通学路線へと趣を変える。内野から丘陵地を駆け登り、進行方向右手に新潟の市街地が広がる。そして、徐々に丘を下り信濃川の河口を渡ると終点新潟駅に到着する。大きな地図では、海近くを走っているように見えるが、車窓から海を見ることはできない。
 車窓は、進行方向左右どちらでも差はない。



● 乗りつぶし記録

  ・2006.01.08. 伊豆・新潟・福島攻略作戦柏崎→新潟間に乗車。完乗達成。
  ・2006.01.09. 翌日、新潟→吉田間に乗車。
  ・2008.09.07. 新潟・長野旅行で、新潟→吉田→柏崎に乗車。往復完乗達成。



● 駅舎写真

柏崎駅(2008.09.) 西山駅(2008.09.) 吉田駅(2006.01.)
内野駅(2008.09.) 新潟駅(1988.08.)



(ともりんが)行ってみたいおすすめ撮影ポイント

 越後線は乗車するだけだったので、私が行ってみたい撮影ポイントを紹介。大河津分水に架かる鉄橋をモチーフに寺泊-分水間で撮影してみたい。



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