高崎線

最終更新日2012.02.04.


● 基本データ

 高崎線は、東北本線の大宮から群馬県の県都、高崎までを結ぶJR東日本の幹線路線である。高崎からは信越本線上越線がそれぞれ西や北に延びている。
 路線の歴史は、日本初の私鉄(正確には半官半民)である日本鉄道の第1期線として、明治16(1883)年7月28に上野-熊谷間で仮営業を開始したのが始まりである。同区間中に大宮駅を設置し、そこから後の東北本線となる大宮-栗橋間が開業されたのが明治18(1885)年7月16日のことなので、高崎線の方が実は古い。明治16(1883)年10月21日に本庄、同年12月27日に新町、翌明治17(1884)年5月1日に高崎まで延伸した。翌月の6月25日には、明治天皇臨席のもと上野駅で開通式が行われ、この際明治天皇は上野-高崎間を往復乗車した。同年の8月20日には前橋まで延伸された。そして、この時、上野-前橋間には3往復の列車が運行され、4時間11分で結んでいた。今でも、上野-大宮-高崎-前橋間を走る列車が残るのは、このことに由来する。ちなみに、現在は同区間を約2時間で結んでいる。そして、開業当時の前橋駅は利根川の西岸にあった。
 政府が中心となって(日本鉄道に)、この路線を開業させた背景には、殖産興業の外貨獲得の一環として養蚕業と製糸業の盛んな群馬県から貿易港の横浜まで製品を運ぶ手段が望まれていたことと、東西両京を結ぶ主要鉄道を中山道沿いに建設する予定で、それに接続する路線が必要とされていたからである。ただ、膨大な建設費が予想されることより、東西両京を結ぶ路線は中山道から東海道沿いに建設されることになった。
 日露戦争の勝利により政府(軍部)は鉄道の重要性を再認識し、全国の主要な私鉄を明治39(1906)年3月31日に発布された鉄道国有法により国有化することになり、日本鉄道も例外ではなく同年11月1日に国有化された。明治42(1909)年)10月12日の国有鉄道線路名称設定で、上野-大宮間が東北本線として分離、また高崎-前橋間は両毛線に編入(高崎-新前橋が後に上越線に編入)、大宮-高崎間が高崎線となった。この際、高崎線は東北本線の支線と定義された。開業当時は、東北本線の方が支線扱いだったので、立場が逆転した形である。
 また、上越線の開通後に上越線・高崎線を合わせて「上越本線」とする構想もあったが、上越線より先に開通していた信越本線と一体化した運行形態が取られたいたことと、上越線全通後も(運行形態に)変更がなかったので、上越本線は実現しなかった。ただ、上越線のキロポストは高崎線から連続していることなどに、その名残が残る。
 昭和5(1930)年10月16日に複線化工事が、戦後の昭和27(1952)年4月1日に電化工事が終了している。高度経済成長期以降の沿線人口の急増は著しく、それに伴って高崎線の列車の混雑は殺人的なものとなっていった。そんな中、国鉄の労働組合が度々起こした列車を故意に遅延させる行為(順法闘争)に利用客が怒り、上尾駅を中心に暴動を起こす上尾事件が昭和48(1973)年3月13日に起こっている。その後、列車の本数増加などの対策がとられたが、利用者にとっては大変な混雑が続くことになった。しかし、赤字で崩壊間近の国鉄にあって、山手線横浜線などとともに数少ない黒字路線に数えられていた。
 昭和57(1982)年の東北・上越新幹線の開業に伴い埼京線(及び川越線)の新設、そして平成13(2001)年12月1日には貨物線を利用して東海道線へ直通運転をする湘南新宿ラインの運行開始など、高崎線方面から都心方面へのアクセスはどんどん便利になってきている。また、湘南新宿ラインの成功を受けて、現在は秋葉原-東京間の路線を再建し、高崎線の列車が東北本線(宇都宮線)・常磐線の列車と共に東京駅経由で東海道線と相互直通運転を行う計画(東北縦貫線計画)がある。
 高崎や前橋から都心方面とを結ぶ普通列車の他、前橋や吾妻線に乗り入れる特急や東北・北陸方面にむかう寝台特急などが、高崎線を走っていく。


大宮-高崎間 74.7km

※ 本数も非常に多いので、乗りつくしは楽。


[車窓の楽しみ方]
 路線の起点を示す0kmポストは、大宮駅の11番ホームにある。大宮を出発すると、東北本線の線路が高崎線の路線の地下を通って右前方に分岐していく。東北本線の方が分岐していくのは、高崎線の方が歴史が古いことからであろう。大宮駅の地下ホームから川越線が地上に出てきて並走すると、鉄道博物館の東側を通過する。すぐに新幹線の高架やニューシャトル、そして国道17号の高架が進行方向左後から右前方に頭の上を通り過ぎていく。これらをくぐると川越線の路線が左に分岐していき、高崎線の路線のみになる。この後国道17号線(旧中山道)とは、ほぼ並走するように走っていく。
 この先は、区画整理がされた住宅街の中を走り、時々田んぼや背の高いマンションなどが車窓から見える。こうして上尾になる。上尾をはじめ、江戸時代に整備された中山道の大宮-高崎間には、上尾、桶川、鴻巣、熊谷、深谷、本庄、新町、倉賀野の各宿場町が設置された。高崎線はこの旧宿場町にあわせて作られた駅を結んでいくように進んでいく。上尾からは徐々に田畑が増えてくるようになり、進行(高崎)方向右手から新幹線の高架が近づいてきて秩父鉄道の高架をくぐると、熊谷になる。熊谷を出発すると、しばらく上越新幹線の高架および秩父鉄道と並走するが大きく右にカーブし、両線と別れていく。しばらくして熊谷貨物ターミナル駅の横を通り過ぎて、籠原になる。籠原を発着する列車が多いので、籠原を出ると車輌基地(高崎車両センター)があり、多くの列車が体を休めているのが見える。
 籠原の隣は深谷、ここは明治の実業家渋沢栄一の生誕地として知られる。その為か、深谷駅の駅舎は東京駅風のレンガ造りなので面白い。列車や駅ホームからもそれを見ることができる。また深谷は、ねぎの有名な産地とあって、車窓にはねぎ畑が広がる。しかし、深谷の隣の岡部は大根の産地。土地の微妙な変化がこれらの作物の違いを生んでいるのだそうだ。そして、徐々に住宅が増えてくると本庄。本庄からは再び田畑が見えはじめ、神保原を過ぎ、神流川を渡ると群馬県に入り新町になる。新町を出ると関越自動車道の下をくぐり、進行(高崎)方向左手から八高線の路線が近づいてきて合流する。合流地点に駅(北藤岡駅)があるが、これは八高線のみの駅である。やがて右にカーブし、利根川の支流である烏川を渡り、今度は左にカーブすると倉賀野駅になる。倉賀野駅を出て国道17号をくぐり、高崎機関区を過ぎて右にカーブすると、新幹線の高架や上信電鉄の路線が集まってきて、終点高崎駅に到着する。
 車窓は、進行(高崎)方向左右、それほど差がない。



● 乗りつぶし記録

  ・1994.02.16. サークルの合宿に参加の為大宮→高崎間に乗車。完乗達成。
  ・1994.02.18. その帰り、高崎→大宮間に乗車。往復完乗達成。
  ・2004.04.08-09. 富山・金沢旅行大宮→高崎間に乗車。
  ・2005.04.17. 秩父攻略作戦大宮→熊谷間に乗車。
  ・2005.04.17. 同、倉賀野→高崎→倉賀野間に乗車。
  ・2005.08.28. 身延・小海線攻略作戦高崎→籠原→大宮間に乗車。
  ・2005.12.25. SL撮影作戦大宮→高崎間に乗車。
  ・2005.12.25. その帰り、高崎→大宮間に乗車。
  ・2007.09.03. 北関東ぶらり旅大宮→高崎間に乗車。
  ・2008.06.08. 埼玉星見駅下見旅で、熊谷→大宮間に乗車。
  ・2008.09.06. 新潟・長野旅行で、大宮→倉賀野に乗車。
  ・2008.09.06-07. 同、大宮→高崎間に乗車。
  ・2008.11.08. JR全線完乗作戦で、大宮→高崎間に乗車。
  ・2008.11.30. 武州荒木 星見駅で、熊谷→大宮間に乗車。
  ・2009.01.17. 北関東撮影旅行で、大宮→高崎/高崎→大宮間に乗車。
  ・2009.01.18. 同、大宮→高崎間に乗車。
  ・2009.03.12-13. 秋田乗りつくし旅で、大宮→高崎間に乗車。
  ・2009.03.16. 同、高崎→大宮間に乗車。
  ・2009.05.09. 長野完乗作戦で、大宮→熊谷/熊谷→大宮間に乗車。
  ・2010.04.03. 東武小泉線乗りつくしで、大宮→高崎間に乗車。
  ・2010.04.25. 群馬撮影で、大宮→北上尾→高崎/高崎→大宮間に乗車。
  ・2010.05.22. 大宮撮影で、大宮→北上尾→大宮間に乗車。
  ・2010.08.28. 北関東撮影旅で、大宮→高崎/高崎→大宮間に乗車。
  ・2011.04.09. 桜狩りと乗りつくしで、大宮→高崎/高崎→大宮間に乗車。
  ・2011.04.17. 秩父鉄道SL撮影旅行で、熊谷→大宮間に乗車。
  ・2011.04.29. G.W.前半作戦で、大宮→高崎/高崎→大宮間に乗車。
  ・2011.05.22. 上毛電鉄 砕石散布列車撮影で、大宮→高崎/高崎→大宮間に乗車。
  ・2011.06.25. 群馬SL下見旅で、大宮→高崎/高崎→大宮間に乗車。
  ・2011.07.09. EL&SLみなかみ号撮影で、大宮→高崎/高崎→大宮間に乗車。
  ・2011.07.17. 三連休作戦で、大宮→高崎/高崎→岡部→高崎/高崎→大宮間に乗車。
  ・2011.09.10. EL&SLみなかみ号撮影で、大宮→高崎/高崎→大宮間に乗車。
  ・2011.10.01. 新潟遠征で、大宮→鴻巣→高崎間に乗車。
  ・2011.11.03. SLいせさき号撮影で、大宮→高崎/高崎→大宮間に乗車。
  ・2012.01.14. 高崎線撮影で、大宮→岡部→行田→熊谷→行田/吹上→大宮間に乗車。



● 駅舎写真

大宮駅(2005.10.) 宮原駅(2006.08.) 上尾駅(2006.08.)
北上尾駅(2006.08.) 桶川駅(2006.08.) 北本駅(2006.08.)
鴻巣駅(2006.08.) 北鴻巣駅(2006.08.) 吹上駅(2006.08.)
行田駅(2006.08.) 熊谷駅(2005.12.) 籠原駅(2008.09.)
深谷駅(2008.09.) 岡部駅(2008.09.) 本庄駅(2008.09.)
神保原駅(2008.09.) 新町駅(2008.09.) 倉賀野駅(2005.12.)
      全駅掲載
高崎駅(2005.12.)



● おすすめ撮影ポイント

 撮影ポイントは、JR線路線別撮影地高崎線にて紹介している。(このページに戻る際は、ツールバーの"戻る"を使って下さい))。



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