たまにはアカデミックな雰囲気に触れたい

 昨年はJAXAの一般公開に行ったりしましたが、今年はまだどこにも行っていないな…と思っていたところで、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の一般公開があるというネタにネットでぶつかったので、ちと行ってみる事にした。
秋葉原からつくばエクスプレスに乗って終点つくばへ。これでTX完乗~(笑)
 何があるって粒子加速器があるのだから構内はただっ広い。各施設へはバスで移動するかひたすら歩く。
 さて、本日の目当ては様々な施設の現物を見るというのもあるが、普段だとなかなか直接には話を聞くことのできない最前線の研究者の方々の講演に参加してみるのをメインにしてみた。
 いくつかお題のあった中から次の3つをチョイス。
 暗黒物質を探せ/野尻美穂子氏
 宇宙にある質量の多くは未だ発見されていないダークマターである、というのは多くの人が知るところ。ではなぜ発見できないのか、というと、質量はあれど電荷を持たないから我々の身近にある物質とは干渉しない(素通りしてしまう)、直接観測もできないということらしい。なにかでダークマターの正体としてニュートリノが有力みたいな話を聞いたが、どうやらまた別の存在らしい。宇宙のはじまりを見る/羽澄昌史氏
 ビッグバン以前の宇宙を直接観測してしまおうという非常に野心的な話。
はやぶさが持ち帰った砂からわかる小惑星の歴史/中村智樹氏
 先日サイエンス誌でも特集が組まれた、はやぶさの成果の一端について。
(関係ないけど、学生時代に教授が「いつかはNatureやScienceに掲載されるような論文を作り上げるのが研究室の目標」って話していたなぁ。いずこの大学もそうかも知れないが、自分の研究室が世界的な発見をするかも知れないって考えると面白いものだなと思ってしまう)
 講演してくれたのは「はやぶさ」のカプセルを直接開けて、中の微粒子を分析した中村教授。
 「余りに最新すぎる成果の発表なので撮影お断り」だったのですが、分析結果から「イトカワは前段階の小惑星が別のと衝突し、その破片が再び集まったもの」「イトカワができたのは数千万年前ぐらいではないか」と推測されるそうだ。で、あのほんのわずかの粒子を分析できたのがKEKにあるX線回折装置なんだそうだ、凄いもんだ(あのごく微量に見えるサンプルでも、分析かけるにゃ充分過ぎるぐらいの大きさの粒子なんだそうだ。私が学生時代に使った機械とは物が違うと言うことですな)。そして、はやぶさ2ではアミノ酸の解析を狙うのだそうだ。
 かように偉い先生から世界的研究成果を直接聴くなんて二度とないかと思って、思わず質問をしてみたり。丁寧にお答えいただいて恐縮の限り。
 一応展示の方にはやぶさ微粒子分析プロジェクトもありました。講演で使われたデータもでていました。ネットにも載ってます。

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