今回の問題が非常によくわかるようにまとめられていた。
科学の世界では自らの研究の成果があった場合、まず論文としてまとめ、これを雑誌に投稿する。雑誌側は査読を行い掲載の可否を判断、パスすれば掲載される。で、自分の大学時代も「目指せ○○!」(○○にはそれぞれのジャンルにおけるトップの雑誌名が入る)を合い言葉に研究をしていた訳である。で、雑誌に掲載されればそれで終わりかと言えば、そうではなく、その論文に記された手法で世界中の研究者が追試を行うのである。この追試で再現性が確認されて初めて認められる…というのが新規の理論なり発見なりがあった際の科学の世界の手順であり、複数の目で何重にもチェックがされるものでつまりは「結果を捏造して論文こしらえても無駄だよん」ということである。そんな事は研究室に入ったときにいの一番に教わったものなのだが…。
で、今回はこの再現に誰も成功していないのがまずは大きな問題になっているところである。さてこうなると最大の疑問は「じゃあ共同執筆者の方が受け取って万能性が確認された細胞は一体何だったの」というところである。考えられるのは(1)STAP細胞はできていた。ただし、論文に記載された手法が本来の作成方法ではなく偶然にできたものである(2)実はES細胞だった、といったところか。個人的には(1)を期待したいところだが…。
ところで、今回やたら論文コピペが話題になっているが、引用とコピペをごっちゃにしている人が多いんじゃないか?「論文はより多く引用されてこそ価値が出る」ってのも教わったもんだ。勿論今回のように引用元を明記していないのは論外ではあるのは言うまでもない。
懸念するのは今回の件で本当に成果を上げた研究に関する論文の投稿を萎縮するとかそういった事態が起きないかというところである。捏造がこれまた論外なのは間違いないが