現状、デジタルテレビ放送は暗号化(スクランブル)されたビットストリームで放送されている。MULTI2,DVB等の複数の標準があるが、日本ではMULTI2で暗号化されている。スクランブル鍵はB-CASカードから取得する。
ARIB勧告と放送局との結託により、現状の地上デジタル放送/BSデジタル放送は全てコピーワンスビット/ネバーコピービットが設定されており、B-CASカードなしに復号化することはできない。また、コピーワンスビットが立った暗号化MPEG2-TSストリームは機器間でムーブしか許されておらず、機器の相性やタイミングバグ等により録画番組を消失する危険性がある。また、仮にファイル等の形式でMPEG2-TSストリームを入手できたとしても、暗号化されているから再生できない。
また、最近のテレビ/DVDレコーダでは、B-CAS I/F、デスクランブラ、デマルチプレクサ、ビデオデコーダ等の諸機能を全てワンチップに詰め込んでおり、復号後のMPEG2-TSストリームを取得することは、ハードウェアの改造を以てしても極めて困難である。
有限会社アースソフトが販売しているアナログHDコンポーネントキャプチャカードである。D端子等のアナログ信号を受け付けられる以外は普通のキャプチャカードであり、少々高速なPCが必要なだけでユーザ側の労力は圧倒的に低い。
しかし、その生産量の少なさと、予約販売を受け付けないという事実上の転売屋容認姿勢により、一般人が普通に購入することは不可能である。転売屋は自動化スクリプトを該当ページにしかけており、200枚程度の在庫が10秒程度で消失する。手動では購入完了画面に進むことすら絶望的。ヤフオクでは本来29190円(税込)に対して、+5000〜1万円程度の上乗せがされているようだ。
アナログキャプチャであるため、当然画質は劣化する。掲示板等では、特に色の劣化が話題にあがっているようだ(その補正も職人の腕の見せ所らしい)。
また、2014年以降はBlu-rayレコーダ等ではアナログ出力が完全に禁止されることが決定しており、可能性としてはARIBが規制に追従することも考えられる。
その他アナログキャプチャ方法として、業務機器メーカであるBlackmagic Design社のDeckLink HDを用いる方法もある。業務機器としては比較的安価で、PCとソフト込みで60万円くらいのようだ。
前述のように最新のデジタル家電から生MPEG2-TSストリームを読み出すのは不可能なので、黎明期に販売されたD-VHSデッキのバグを再現し、iLink(IEEE1394)に暗号化されていないMPEG2-TSストリームを吐き出させ、それをキャプチャする方法がある。有名な方法として日立DRX1000と松下AVHDDPlayerというPCソフトで意図的なバグを発生させ、さらに別のD-VHSデッキまたはPCキャプチャで取り込む、通称「ヘボ屋抜き」がある。
しかし、元々バグを利用した方法であり非常に不安定であること、古い機器の入手が困難、複数の機器をタイミング合わせする必要がある、などの様々な問題により誰にでも可能というわけではない。
類似の方法として「POT抜き」と呼ばれる方法もある模様。
もうだめぽ。
地デジをキャプってコピワン解除してWMVエンコ、なんてのは相当敷居が高いことがわかったけど、SONYのハイビジョンハンディカムHC3などの普及により、MPEG2-TSハンドリング自体は改善しているみたい。元々ホームビデオ用途ならコピワンみたいな面倒な制限はないから、取り込みはフリーソフトで HDVSplitという決定版が出ていて、ほとんど問題ないようだ。
編集はTMPGEnc MPEG EditorでGOP単位編集ならサクサク動くらしい。元がMPEG圧縮かかっているから非圧縮データよりは遥かにHDDも優しいし、外堀は徐々に埋まっている模様。