「科学」カテゴリーアーカイブ

はやぶさカプセル内の微粒子の起源の判明について

 恐るべしは日本の変態科学力。これではやぶさ二号機に弾みがつくか。次回はより確実性が求められるだろうから大変だろうけど。
 しかし、日本の宇宙探査の方向は制限をかければかけるほどうまくいくというか、こういうわずかな予算で最大効果を得るのが得意であるなぁ。
 一方で多大な予算がかかるであろう有人打ち上げに、次に成功するのに一番近いとこに いるのも、HTVを持っている日本であるし。アメリカのいない今が有人宇宙開発ビジネスのチャーンスなのだが、さて、今後の方向性やいかに。

またぞろニセ科学の話題が増えてきた

 ホメオパシーは「荒唐無稽」 学術会議が全面否定談話
 日本の学界もようやくニセ科学の危険性に気づいてくれたようです。当然ながらホメオパシーにプラシーボ以上の成果は期待できません。
 磁化水飲むと学習能力アップ
 …科学誌掲載の論文とかならともかく、なぜにそんな追試もされていないトンデモ発表を新聞記事にするかなぁ。学会発表は学会員であればどんな内容でもできるという事がわかっていないのだろうか。
 他にもパワースポットなんぞがはやっているようで。マァ癒し効果はあるのでしょうが、気や波動とかと絡められると途端に胡散臭さがでてしまう…。
 やはり基礎的な科学教育(というか科学的なものの見方の訓練)が重要なのだと改めて思わせるここ数日の記事でした。 

JAXAに行って来た

 「はやぶさ」帰還やイカロスなどで湧く日本の宇宙研究ですが、その総本山JAXAの特別公開へと行ってきました。
 残念ながらるぅ嬢は疲れがたまったようで欠席、で、私一人で出撃。
 会場はJAXA相模原キャンパスと隣接する市立博物館。で、会場前に着いたのですが…目玉のはやぶさカプセル展示には推定3時間待ちかと思われる列が…。
 さ、ここは潔く諦めましょう(笑)
 本日の私的一番目標はそのはやぶさのプロジェクトリーダー、川口氏による講演。カプセルはこれから全国巡業に出るようだし(笑)むしろこういった方の話が直接聞ける機会の方が貴重かと。
 しかしこちらも会場は早満員、隣接したスペースで会場内の様子をモニターで見て話を聞く事に。
 まずはやぶさ帰還の意義について、そぅ、何十億キロも彼方から帰って来た人工物はこれだけなのです。
 続いてはやぶさプロジェクトの目的。第一はサンプルリターン技術の立証。これについては後から詳しい話がありましたが、探査機に分析機器を積むとなると計画段階に既にある機器しか載せられず、打ち上げ段階でも既に古い機械になっていまう。ならばサンプルを持ち帰り、帰還した時点での最新鋭の機械を使用した方がよい、との考え方によるものであります。しかしそのためにはまず往復する事が出来ることを立証しなければなりません。それが一番の目的。
 以下の5つの技術の立証もそれぞれ一つづつがかなり興味深いものがあります。ご存じイオンエンジンによる惑星間航行もありますが、特に光学情報を用いた(つまり探査機自身の目による)自律的な航行と誘導についての説明には興味を持たされました。
 いずれこういった探査機は、ラグランジュポイントに設置された深宇宙港で整備された後、また新たな探査へ向かわせる、という未来像が。まんまガンダムか何かですが決して夢物語ではないと。
 ちなみにはやぶさもカプセル投下後、ラグランジュポイントへ向かわせてこの深宇宙港のためのデータを取る案もあったそうだが、相次ぐ故障でそれどころではなくなったそうで。
 この後はいろいろと苦難が続く訳ですが。
 はやぶさからの電波を待っている間はやる事がない、すると企業から来ている人たちは引き揚げて行ったり周囲からもう終わってしまったと思われないようにしたりと大変だったようで。
 やるべき事を全てやってしまった後は神頼みしかない。電波の神様(いるのか?!)電電宮やら…
 中和器について討議をした後、最後に「祈願できる神社はないか?」とネット検索したらヒットしたという中和神社へ参拝したりと。
 しかしこの神社、化学屋としても参拝せねばなるまいか。
 最後の最後、イオンエンジンが停止してしまった後の「こんなこともあろうかと」準備されていた、生きている中和器とイオン源を組み合わせたクロス運転。しかしリスクが大きくテストもされないままのぶっつけ本番、他のスタッフが不安な心中の中、電源担当者だけは喜んでいたそうで。
 はやぶさが最後に撮影した地球の写真、左が撮影時の生の写真、右はそれをデータ処理した写真。絵としては当然右の方が良いのですが、世間の人気は断然左の写真だそうで。
 還って来たはやぶさ。ちなみにプロジェクトマネージャーの川口氏、現地への出発の準備を終わらせていたのに、あっさりカプセルが発見されてしまったので「おまえは来なくていいよ」と言われてしまったそうだ。
 という訳で、現場責任者ならではのいろいろ貴重なお話を聞く事が出来ました。
 他にも「当初計画では目的地はイトカワではなかった。しかしNASAより先に小惑星に着く必要がありイトカワを目的地とする計画に変更した」「イトカワという名前ははやぶさ出発時にはまだ付いてなかった(そうだったのか)」などという話も。満足満足。
 ア、ともりん先生、一部撮りきれなかったけど講義のスライドいる?

ではその他の展示へ

 さすがJAXA、構内を月探査衛星かぐやが闊歩している(笑)
 衛星軌道から持ち帰って来た赤外線望遠鏡。考えてみればこいつもすごいよなぁ。
 はやぶさの模型(?)
 宇宙はいよいよデブリ回収時代に突入するようです。
 イカロスのソーラーセイルの予備品だそうで。こいつが今宇宙を航行していると。
 他にもX線観測衛星とか興味深いものがいろいろあったのですがともかくこんなところで。
 当日は各部署で展示内容のミニミニ図鑑が配布されておりまして、全部集めるとお子様などはこれで自由研究終了となりそうで。
 ちなみにるぅ嬢も全部読むと意気込んでおります。
 ところで、あちこちでスタッフの説明を聞いたのですが、どこでも聞こえてくるのが「予算が…」
 一律10%カットも痛いようですが、「国際宇宙ステーションに取られて…」
 マァその、枠が厳しければ厳しいほど成果を発揮するのが日本人の特性だ(ヲイ)
 という訳でなかなか楽しめました。今年ははやぶさ効果で来場者がかなり増えたそうで、来年あたり落ち着くだろうからまた来ようかな。
 ちなみに、けっきょくはやぶさのカプセルは見れませんでした…。(替える時点でも1時間半待ちだもんな~)

すぐ隣の世界

最近はヒストリーチャンネルばかり見ているような

 先日放送で「この宇宙には3次元以上の高次元がある。別の次元はすぐそばにあるが我々はそれを見る事が出来ない」といった内容をやっていたのですが、どうもるぅ嬢は理解できなかったようで。
 そこで…
「いいか、ここに『まんがタイムきらら』という宇宙がある(と、おもむろに冊子を取りだす)。このページには『ひだまりスケッチ』の世界がある。そして、そこからほんのわずか数ページ、数μmの先には『GA芸術家アートデザインクラス』の世界がある。しかし、それぞれの世界の住人は二次元なので、三次元方向を認識できないから距離はほんのわずかだが、お互いの世界を認識することはできない、という事なのだ」
 ますますわからなくなったようだ…。

まんがタイムきららキャラット 2010年8月号

世界杯日本戦

「はやぶさ」その後

 これこそが人類史上初(でいいのかな?)月より遠い距離を往復してきた人工物である!
 にしてもここ1年のJAXAはHTVから「あかつき」「IKAROS」など快進撃ですな。
 さて、そんな中感じた事をいくつか。
 今回の成功の意義、いろいろあると思いますが、NASAとはまた違ったアプローチで宇宙探査を行ったのもその一つかと。イオンエンジンは人工衛星にも応用できるような話もありますし、純粋に学術研究というだけでなく商業的なアドバンテージも得る事が出来たのは大きいと思います。低予算であった事もここでは逆に有利に動くかも。
 で、今回の成功で大幅削減された2号機予算が復活しそうで…それはまことに目出度いのですが、予算を握る人間が価値もわからずに減らすだの言っていたことが露呈したと取っていいのかなこれは。
 「なぜテレビ中継がない!」と騒ぎになっていますが、私はいつ中継がW杯から切り替わるかとテレビつけてましたよ(笑)。
 「テレビの速報性が生かされていない」はぱ先生の弁でしたが、どうもテレビ局というのは速報性を生かすための機動性に欠けるのではないかと思ってします。これは今回の件に限らず、例えば野球中継などでも「今日このゲームを中継しないでどうする!」というのを放っておいてどーでもいいゲームを中継するなんて何度も経験してきております。特に民放ですとまずはスポンサーの関係が足かせとなっているのは間違いないのですが(それが現在の民法の限界なのかも)、それと共にあらゆるジャンルの番組を百貨店的に放送していると、その中でどれが最も重要であるか、あるいは視聴者の関心を集めるかの判断が難しく、ゆえに無難にスケジュール通りの放送しかできないのではないかと。国内作成の科学チャンネルとかがあればいいのかなぁ。

はやぶさ帰還

 地球を発しはや7年、小惑星イトカワへの往還という偉業を成し遂げ、今夜再び地球へと戻って来ました。
 ここに至るまでの数々の出来事は既に多くの人々の心を揺さぶるに余りあるものがありました、後はその最後の雄姿を見届けようではありませんか。
 …と、祝杯を準備してスタンバイ。
 そして、その瞬間
 日本人だった最後にこの言葉を贈るしかないでしょう。

  「オカエリナサイ」

 では乾杯!ア、ちなみにはやぶさ迎え酒なるものもあるそうです。 追記:すでに回収班がカプセルの回収に向かったとのこと。まずは無事に回収できる事を祈る。他にいろいろ書きたいけどまた後日。

北海道フェア

HTV/H-IIB打ち上げ

 朝一番のニュースで新型ロケットが打ちあがっていく姿を確認。まずはめでたい。ただロケットに関しては成功だけれど今回はこの先が本番、無人輸送機というアイデアが功を奏すか、注目。ともかくもこれで日本も衛星打ち上げビジネスの最先端に追いついたと言っていいのかな。

とネタ

 ぱ先生の日記水だけで発電する機械の記事が載っておりました。


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 やはりここはと学会本愛読者の血が騒ぐ(笑)
 …なんですが、マァかなり胡散臭いですな、これは。一応、「実は単なる電池」「圧電素子で水流の動きで発電」とかまともなごまかし方(?)も考えたのですが、結局水だけで発電という発表者側の主張以外のタネを紛れ込ます部分がいくらでもある。実際、実験中に電球が消えたのに電流計の針はそのままだったとかいう事もあったようですし、電気自動車動かすのも別に最初からバッテリーが充電されていれば何繋いだって動くもんなぁ。
 ただひとついやらしいのが、一回の水の補給で動ける時間が決まっているという事。発表者側が主張する発電理論(水が触媒で水素イオンになり電子を放出、その後水素イオンが電子を受け取り水に戻る)から行くと、これ水を循環させれば水の量は減らないでいくらでも発電できる事になる。しかし、さすがにそうなれば「それって永久機関じゃないか」と誰でもおかしいと思う。それを回避するために「いや、そうじゃないんですよ~」と言ってきている。実にいやらしい。
 で、これ大阪の議員会館で発表されたそうで。ぱ先生も言っておりますが、さすがUFOに関して質問する政党は一味違うな(ヲイ)。
p.s.
今日のカテゴリは疑似科学という事で。
追記(2008/06/18)
 ニセ科学研究で著名な菊池誠先生のブログに記載がありましたので張っときます。マァ私の記事読むより余程参考になる、と(笑)