次世代DVD戦争はマイクロソフトの勝ちです。っていきなり何を言い出すのか俺は(^_^)Aフキフキ。よくまとまっている記事があったので覚え書き代わりにトラックバックしてみるテスト
『IPTV on Xbox 360』の構想が発表された。米国では 話題を呼びそうだが、日本では専用のコンテンツが用 意されるかどうかすら分からない。
の件に少しコメントを。「ネットワーク対応」に関しては、両者には実は明確な違いがあるんですヨ。機能ではなくて将来像が明らかに異なるんです。
BDの場合は、それ単体(プレイヤー)が限りなく高機能になっていくという方向性です。もうすぐFull-profile規格に移行してVM上でJavaが普通に走るようになります。BD+というVM自体をDisableできる鍵認証も採り入れられます。あくまでパッケージ中心で、BDプレイヤー自体がパソコンみたいにネットを取り込んで行くという方向性ですね。あくまで高機能家電アプローチです。
一方で、HD DVDはiHDと呼ばれるXMLベースのインタラクティブコンテンツ以外に、これといって特徴がないように思えます。しかしMS的にはこれでOKなんです。なぜならMSはメディアが滅んだ後を指向しているからです。
「え〜?HD DVDが負けたならどうしようもないじゃん?」さにあらず。今後3年くらいのスパンでHD DVDプレイヤーが細々とでも売れ続ければ、タイトル数は数百を超えているはずです。
一方で、MSはXBox360を使って、既に北米では映画レンタルを開始していて、今年はストリーミングVODのIPTVも始めます。課金システムもプリペイドカードとクレジットカードが選べ、アカウント管理は何年もの実績があるLive!が使えます。もう下拵えは完了している状態ですな。
で。現状でも多数のVODシステムが存在しますが、いずれも動画がMPEG2かMPEG-4 AVCフォーマットという以外、これといってコンテンツ標準がないんですな。何が困るかというと、そこらへんで$6.79で売ってるDVDですらできる字幕やマルチチャンネル音声制御の標準がないことを意味します。この部分は配信サーバ側で作らなくちゃならないわけです。結局、コンテンツホルダからするとVODシステムごとに再オーサリングの手間がかかってしまうので、パッケージより売れないのに面倒なことはしたくない〜というのが本音でしょう(だからVODサービス提供者がポストプロ雇って再エンコさせたりしてますな)。これがVODにコンテンツがなかなか揃わない理由の一つになっています。
もう、MSのメッセージは明解です。「HD DVDでオーサリングしておいてもらえれば、あとは全自動で当社のVODに乗せられますよ。」ということです。ここで初めてHDコンテンツまで内包したインタラクティブコンテンツ標準iHDが普及するというシナリオなのです。そういう視点からiHDを見直すと、コンテンツの大半は(パネル等のガジェット含め)XMLで記述されており、動画との同期はSMILで記述されています。現状のHTTPサーバなどのInetnet標準技術と親和性が高くなるように設計されているわけですな...。
いわばHD DVD「パッケージメディア」の販売競走は、MSにとってみれば単なる前座に過ぎないというわけです。負けてもいいんです。せいぜい派手にマスコミに取り上げられて競走してもらった方が良いという。
蛇足ですが、セットメーカに対する包囲網も着々と進んでいまして、東芝とMSは協業してWindows CEベースのHD DVD開発ライセンスを策定しています。OSとWebブラウザ込みだと、自分達でLinuxとOpenTVブラウザなどを組み合わせるより安上がりという値段で出してくるでしょう。素人考えだと「えー?Webブラウザくらい誰でも作れるんじゃない?」と思うんですが、IEとOperaの些細な非互換性などを少し見れば推測できるのは、どんなコンテンツでもちゃんと動くことを保証するのは案外難しいということ。テスト工数の問題がありますからね。そこでこのOSセットを買えば問題無くHD DVDプレイヤーとして動きますよっという状態にするわけです。中国メーカなどが参入しやすくなりますし、MSとしてもイマイチ売り上げが伸びないCE(Windows CE.NET, Windows Mobile)を家電メーカに売り込むチャンスという訳ですな。恐るべしMS.....
あ、以上のことは妄想ですんで(笑)...白々しいか...ごめん。
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