坦々麺屋さんに寄ってみた。地域では30年くらい続く老舗らしい。 外から覗くと、野球のユニフォーム着たお爺ちゃんたちがしゃべりながら食べていた。 経験則として、こういう店はおいしい。
しかし・・・・
注文して出てきたものは ひき肉醤油あんかけ でした・・・ひき肉と葱を炒めて片栗粉でどろどろにしたものに、麺が浮いているんです。
失礼。偏見は禁物、見かけが ひき肉醤油あんかけ だとしても、和風に洗練されていったものかもしれないじゃないか。そして口に運んでみる。
見たとおりの代物だった。というかありえん。出汁も香りも何にもない。 醤油とひき肉と葱の味しかしない(笑)これでうまかったら許せたが 930円もとっておいて、こりゃないだろうと。
それを初老の店主が「どうだうめえだろ」という目でこっちを見るんだよ。 もう耐えられない。
確かに坦々麺とは、天秤棒担いだ小僧が汁無しそばを売り歩いたのが 始まりらしいから、定まった形式はないかもしれない。
でも坦々麺は 四川省発祥なんだからせめて辛くしろ と俺は言いたい。加えて、日本で最もポピュラーな陳建民氏発祥の坦々湯麺であれば、 芝麻醤かゴマペーストかナッツを砕いたもの と 香りの良い酢 は欠かせない。
調味料的にはこのようになる。
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どんぶりに、芝麻醤大さじ1, 豆板醤小さじ1, 甜面醤小さじ1/2, 鳥がらスープの元大さじ1, 黒酢大さじ1を入れてよく練っておく。
まず麺を茹でるためのお湯を多めに沸かし、沸いたら先ほどのどんぶりの中へ入れて溶かす。これがスープ。その後に麺を入れて茹でる。
茹でている間に、フライパンを熱してゴマ油小さじ1とラー油適量をいれ、しょうがのみじん切り少々、にんにく1カケのみじんぎりを入れて香りを出し、豚ひき肉75gとタケノコ水煮みじん切り75gを投入して炒める。タケノコ水煮が用意できなければザーサイでも良い(量は減らすこと)。肉の赤いところがなくなったら、水30ccに片栗少々を溶かしたものでとろみをつける。
麺をあげて、どんぶりによそって、さらに残ったお湯に、ちぎった青梗菜を投入して1分ほど茹でる。葱の白いところで白髪葱を作って盛り付け。 日本風坦々湯麺の出来上がり。
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自画自賛だが
酸味と辛味が調和した中にゴマのコク、これが坦々湯麺だ!! 市販の調味料ばかりで特殊な材料は何もない。 調理時間は湯を沸かす時間を含めても15分程度。アフォらしい話だ。
毎回レジ打ちを間違えるスーパー、表まで異臭のするステーキ屋、 拭いてさえいないギトギトに汚れたトレーに品物を並べて渡すパン屋、 生煮の煮魚を出す居酒屋、タメ口で話す信用金庫に、 細菌性の中毒で営業停止になる寿司屋・・・
俺の周囲の店はこんなのばかりだ。俺は横浜の中心部に30年くらい 住んでいた訳だが、確かにテナントの入れ替わりは激しかったけど、 ここまで”間抜け”な状態ではなかったように思う。
共通しているのは、最低限守るべき規範みたいなものが消失してる ところだな。競争がないということは恐ろしいものである。
こんな商売のやり方では、大資本が来たらひとたまりもないだろう。 実際、そういう訴えもニュース等ではよく聞く。 しかし、その店が確固たるユーザベネフィットを提供できていれば良いこと。 大資本が来たから即潰れるってのはおかしいんじゃないだろうか。 ましてや"俺らが商売できなくなるからでてけ!"って訴えるのは 違うんじゃないだろうか。
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