2011-07-25(Mon)
_ 中国高速鉄道事故
第一報は脱線という事から「軌道か台車に問題が発生したか?」と思ったが追突事故とは。報道発表などから、まず落雷による影響があったのは確かなようだ。これが送電設備と列車のいずれに落ちたか、対向列車も現場付近で運転できなくなったという事から前者であるように思える。となると追突した列車は?セクションが事故現場付近にあったか?可能性としては後者もありうる。いずれにしても、前者であれば落雷対策がされていないのか、後者であれば車両への避雷器の搭載がないのか(この場合でも復旧には手間が掛るが)、鉄道としての落雷対策がなされていなかったのではという疑念がある。さらに、これが信号システムに影響を及ぼすのか?その辺が知りたくて中国高速鉄道の信号や運行のシステムを調べてみたのだけれど、ヨーロッパのETCS を元に独自開発したらしいというとこまではわかったが残念ながら詳細についてはわからなかった。
さて、さらに何が起きたか考察を進めようとしたのだが、呆れてそんな気すら失わせる事態が起きた。
中国当局、事故車両の前部破壊
先頭車の破損状況からどの程度の速度で追突したか、運転室内のスイッチや計器の状況からどのような操作が行われたか、さらに今後同様の事故が万一発生した場合の為にどのような先頭構造にすべきか、その他にも多くの貴重な情報が永遠に失われたのである。さらにこれらの情報は世界の鉄道にとっても安全性向上の為有効に活用されるべきものである。しかしながら、どうやら当局とやらは今回の事故の原因究明などする気はさらさらないようだ。さらに、
中国高速鉄道、事故区間で運転再開
今回の事故で信号システムに致命的欠陥があるのはおそらく間違いはない、さらに落雷が原因というのであればここ一カ月で何度落雷で止まったと思っているのか。本来であれば信号に関する問題点の解明と対策が取られるまで、全高速列車の運転を中止するべき事態のはずである。
一方で中国は高速列車の輸出を企画しているのは周知の通りである。しかし信号システムに欠陥のある鉄道をどこが買うのであろうか。唯一この失地から回復できるとすれば、それは事故原因の解明と対策が出来たときである。しかし、先頭車を失った事でその機会は永遠になくなった。今後当局がどのような調査結果を出したとしても、それが信頼に足るものではないのは明白である。中国は稚拙な行為で自らの首を絞めてしまったと言っては言い過ぎだろうか。