2011-06-18(Sat)
_ ふと思いついたタイトル
「もしもドラッガーのマネジメントを読んだ女子マネージャーと孫子の兵法を読んだ監督とマルクスの資本論を読んだ部長とマキャヴェリの君主論を読んだ四番打者がいる高校野球部が対戦したら」
「もしも涼宮ハルヒがドラッガーのマネジメントを読んだら」というのならこの夏掃いて捨てるほど出展されてくるであろう。
随分かかってしまったけど本日読み終わりましたので感想。
ハルヒは毎巻(タイムトラベルなど)何らかのオードソックスなSFのネタを使っているように見受けられるけど、今回は(前巻からの続きであるが)平行世界を持ってきた。さて、これをハルヒ的にどう料理してくるのかなと、そこを期待していた。その面はうまくまとめられたと思うし十分面白かった(厳しいSF者だと「全員の記憶の整合性が取れるのはおかしい」とか言い出すかも。私もキョンと古泉以外はいつどうやって2人の自分が一緒になったのか疑問に思うが)。ただそれゆえにオチの解説が全部エピローグにまとめられちゃっていたのがちと残念。
何というか、「マンガにおける状況を絵ではなく全て台詞で説明された」ような感覚で、本編中でもっと絡ませることができたようにも思える。
ストーリー面でもう一つだけ、SOS団にやたら新入部員希望者がやってくるが、「普通考えればいるはずもない入団希望者が何でいるんだ?」という疑問が読んでいて当然沸いてくるのだが、そこにはいまいち答えていないような。「全てはハルヒが望んだから」ならば一つの答えではあるが、あまりそればっかだとご都合主義になりかねないかと。
さて、ハルヒはいわゆるライトのベルである。となればストーリーと共に大事になってくるのがキャラクター…なのだが。
どうにも総じて新キャラというかゲストキャラにレギュラー程には魅力を感じられなかった。藤原なんかもっと悪役的魅力があれば光ると思うんだが単なるうざい野郎で終わってしまった。佐々木もどうだろう、ある種不思議ちゃんキャラで個性はあるのだが佐々木信者を生むまでにはないだろう。それともみくるちゃんや長門が奇跡的な存在であったというだけなのか。
渡橋ヤスミはどうか。これも不思議すぎて読んでいて戸惑った(オチを聞けば「ナルホド」と思うが)。SOS団HPの辺りはちとうるささを感じてしまった(しかしドキッとした者は多かろう(笑))。元気明るい系のキャラ設定は良かったがもっとミステリアスさを出しても良かったんじゃないかな(校舎の上に立っているというシーンは「綾波?」とか思ってしまった)。
とまぁいろいろ書いてしまったが、要はハルヒには通常の合格ライン以上のものをどうしても期待してしまうのでこうなってしまった。しかし一読者としては次はどんなSFネタを繰り出してくれるか、そしてどう捌いてくれるか期待して、新刊の発売を早くも楽しみにしているのである。